2009年5月15日 (金)

オランダの食材を味わい楽しむ

1609年、江戸幕府の初代将軍・徳川家康がオランダに朱印状を交付し、通商関係を開始してから今年で400周年。

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オランダは、ヨーロッパ生活をしている時に中心的に経由していた馴染みの国。毎年のように訪ね、日本との友好国であることを人や文化を通じて実感していました。

国土の4分の1が海抜0m以下にあるオランダは、高い水工技術を持っているとか、ミッフィーで有名な絵本作家のディック・ブルーナやゴッホ、フェルメール、そしてチューリップや水車、チーズなどのイメージが強いのですが、食材についても実は素晴らしいものがたくさんあるのです。

オランダ王国大使館より、縁あって日蘭友好関係を繋ぐ食事会「ホワイトアスパラガス試食昼食会」にご招待頂きました。

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オランダでホワイトアスパラガスが生産されるシーズンは短く、集中的な労働力が要求されるため、ホワイトアスパラガスは特別な食材として珍重されています。この野菜が“Queen of vegetables”、“White gold”、“Points d'amour”、“Pearls of the land”などと呼ばれる所以です。

その他、ホワイトアスパラガス以外にもオランダを代表する生鮮な食材などを使った料理を堪能させて頂けました。オランダ大使公邸のフランス人シェフ、ステファン・フォレ氏の食材の個性と旨味を引き出す仕事振りは繊細かつ華麗で素晴らしいものです。

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メニューは、前菜に「ホワイトアスパラガス・白人参・ゴーダチーズのムース」。コリアンダーのスプラウト・トマト2種・アスパラソバージュ・キュウリ・いんげんなどの野菜が全てマイクロベジタブルで彩られています。小さくても野菜の香り味の濃さは特筆もの。ハモンイベリコとオマール海老と渾然一体とした調和を36ヶ月もの熟成を重ねたゴーダチーズがまとめている逸品でした。

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「雑穀米に包まれたホワイトアスパラガスの海苔巻き寿司」と、「アスパラガスのブイヨンで作られたコンソメスープ」と、「食べられる蘭の花」。爽やかなホワイトアスパラガスの甘味と雑穀米が口の中で混ざり合う変化が、新しい味の発見。スープを口に含むと、何とも滋味深き幸福であります。スープに浮いているのはサリコーンという植物。地球上で唯一、塩を吸収して育つものだそうで、海水中に溶けている塩及び、カルシウム・マグネシウム・カリウム・鉄などのミネラルを吸収して育つらしく、特にミネラルの宝庫で、他のどんな食品よりも多くのミネラルが含まれていて、カルシウムは牛乳の約7倍、鉄は昆布の約40倍、カリウムは牡蠣の約3倍も多いのだとか。

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「極太グリーンアスパラガスのフリット 甘鯛のソテー 緑の野菜と赤カブのソース」。4Lはあろうかというアスパラガスが見事です。しっとり&ふんわり火の通った甘鯛と歯切れの良いシャッキリとしたアスパラガスの食感の妙が楽しめる一皿。相性の良い組み合わせです。何と言っても、驚きのアクセントは、上にそっと添えられた一枚の葉っぱ。口に含むと火の通った牡蠣の味がするのです。「えっ?」という戸惑いと驚きこそが、シェフの思惑通り・・・。聞くと「オイスターリーフ」という名だそう。オランダにしかない食材で、今後は日本でもお目見えするといいます。

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「極太アスパラガスのソテー フランス産ピジョンのロースト」。ローストされた鳩の下には、トピナンブール のソテーが敷かれています。トピナンブールとはキク芋のこと。善玉菌の栄養素となるイヌリン(食物繊維)を多く含む食材として今注目されています。ソテーしたことでホクホク感とシャッキリとした食感を上手に出しています。鳩の旨味をソースに凝縮し、フレッシュなアスパラガスの甘味あるジュースとの相性も抜群です。大きくても歯切れの良い最上のアスパラガスの醍醐味を感じます。鳩は、あっという間に火が通り、調理が難しい食材ですが、肉への火入れも完璧でシェフの匠の技を体感させて頂きました。

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「ブラックベリーのムース(上) ルバーブのコンフィチュール(中) ショートブレッド(下)」。下のホワイトソースは、シェーブルタイプのゴーダチーズとホワイトチョコのソースです。 最後のデセールに至るまで素晴らしい仕事振りのシェフであります。酸味、甘味、苦味、旨味に加えてチーズの塩味が見事なまでにハーモニーを生み出しています。それにしても羊の乳から作り出すゴーダチーズのコクと香りの芳醇はクセになること請け合い。まさに五感を刺激するシェフの感性に敬服です。

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緑に囲まれ、閑静な大使館内公邸でのランチに広がったオランダ食材の世界が、こんなにも新鮮で驚きに満ちた新しい発見の場になるとは想像以上の収穫でした。

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食後の歓談では、大使をはじめスタッフの皆さんと日蘭親交の会話が弾み、オランダに対する興味がさらに深まりました。

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せっかく頂いたご縁を大切にし、今後も日本とオランダの食・食文化の親善的な架け橋になり両国の食文化の発展に貢献出来ればと思っています。

ホスピタリティー溢れる、素晴らしい一時を過ごすことが出来ました。オランダ王国大使館の皆さま、本当にありがとうございました。

またオランダに行って見たくなりました。

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2009年2月11日 (水)

ちょっと懐かしいほのぼのドーナツ

ふとした散歩の通り道で行列の出来るドーナツ屋さんに出くわした。シンプルな店のデザインに好奇心が駆られ、早速並んで見ることにした。
Haradonuts001 「はらドーナッツ」は神戸に本店がある新進のドーナツ店。「おいしく、健康で、安心して食べてもらいたい」を信条に、防腐剤・保存料は一切使用していない。国産の小麦粉などの厳選素材の他、神戸市にある昭和43年より神戸湊川で営業を続ける老舗「原とうふ店」の豆乳とおからを使い、大豆の甘味が生きる優しい味が魅力だ。

100%国産小麦、全粒粉、体に良い三温糖を使うなど、素材にはトコトンこだわっている。

Haradonuts002 ここでは、スタッフが心をこめて1つ1つ毎日丁寧に手作りしていて、その日の温度や天気を考慮して、全て店内で製造しているという。

面白いのは、てっきり「原とうふ店」がこのドーナツを生み出したのだと思ったのだが、話を聞いてみるとオーナーは違うという。独自の体に良いドーナツを作り出す過程で、原とうふ店の豆乳とおからを使用したといころ理想のドーナツが出来上がったということから、ネーミングも含めての敬意として「はらドーナッツ」という店が誕生したのだそうだ。

Haradonuts004 品質管理をした厳選素材を使う為、直営店でのみ販売とし、「原とうふ店」が作る高品質のオカラ・豆乳は毎日東京の直営店へ直送して、鮮度を保っている。安心・安全な商品を提供出来るようにフランチャイズのような様式は一切行わず、直営店のみの出店と限定するのだそうである。何とも素晴らしい考え方だろう。

どこか懐かしくて、ホッとする味。肉屋さんで揚げたてのコロッケを買って頬張った記憶が蘇るような時間。子供の頃に母が作ってくれた昔懐かしい自然な甘さのふんわりとしたドーナツの味がする。 Haradonuts003

安心で安全という自然の味にこだわるゆえ、美味しさの賞味時間は短い。プレーンな「はらドーナッツ」だけは揚げたてを買う事が出来るので、すぐに食べてみて欲しい。

お土産で買って帰ったドーナツを翌日食べたものとは断然違う揚げたての味こそがオススメといえる。

行儀は悪いが、歩きながら食べるのが一番うまいのだ。

二子玉川店
東京都世田谷区玉川3-15-12
玉川三丁目マンション102
Tel:03-5491-2082

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2009年1月31日 (土)

信州「蕎麦」の名店【くるまや】

信州の山奥に在る、知る人ぞ知る「くるまや」。安曇野山麓線から燕岳の登山口となる中房温泉へ向かう県道の右にある、有明山神社の参門横に手打ち蕎麦の隠れた名店は佇む。

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駐車場に入るには有明山神社の鳥居を車に乗ったまま潜る。初めて訪れた人は恐れ多くて戸惑ってしまうかもしれない。

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ガタンゴトンと清流に身を任せる水車をシンボルとする「くるまや」の店構えは、決して豪華ではない。遠めには、むしろ店というよりは普通の家のようでもある。知っていなければワザワザ寄って行こうとは思わないだろう。しかし、山奥で観光地ともいえない場所ながらいつも人が耐え間なくやって来ることからも、その存在が稀有な名蕎麦の技に裏付けられていることに気付く。

昨今、ブームのように蕎麦の粋を謳い、高価なものとして提供している“もどき”とは喉越し、香り、深み、吟味した地粉で丹精に打った技が違う。かの地は、水の質が格段に良いのだ。近隣に最上質を誇る山葵畑があることも「くるまや」の蕎麦を支えている。

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くるまやの蕎麦は安い!このご時勢で1コインでおつりが来る(ざる一枚493円)。心意気なのである。

私は、最初の1枚をそのままツユを浸けず、蕎麦の香りを楽しむ。こっそり持っていった藻塩を軽く振って食べたりもします。そして、おかわりの1枚でツユと共に楽しむ。

最高の山葵をツユに溶くなどという野暮はおよしなさい。蕎麦にそっと添えて、思いっきりズズズっ~と思い切り音を立てて手繰るのです。何故、音を立てるのか?

それは、思いっきり空気を含むことで香りを口の中で膨らませ鼻にその清香を抜くのです。

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蕎麦の他に、お薦めはモツ煮。別名「おたぐり」の名で呼ばれる馬のモツなのです。12メートルにもおよぶ馬の腸をたぐり寄せる様に洗うところからこう呼ばれます。これは旨い!香り深い葱と七味を添えて滋味を味わって欲しい逸品です。先ずは、蕎麦を味わってからモツ煮を楽しむのも一興。

日本アルプスを眺望し、川のせせらぎと木漏れ日の信濃路を探訪された際には、絶対に行くべき蕎麦の聖地。

住所:安曇野市穂高大字有明宮城7023
TEL:0263-83-2515
営業時間:11:00~19:00(但し蕎麦がなくなり次第閉店:LO18:30)
定休日:月曜日(祭日の場合翌日)
駐車場:30台
創業:昭和47年4月
場所:中房温泉に向かう県道右の有明山神社横
※JR大糸線有明駅より中房温泉方面へ車で15分(6キロ)

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2009年1月26日 (月)

願いが叶うレストラン

この時期になるとチョコレートの話題に花が咲く。フランス中からショコラティエやパティシエが居なくなるとさえいわれるのは、東京の伊勢丹新宿店でチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が開催されここにスターシェフたちがやって来るためだ。

チョコレートとショコラの区別は、比較的一般に買えてカジュアルで手頃なものをチョコレート。こだわりの手作りで高級なものをショコラと呼ぶらしい。
となれば、もちろんバレンタインでの愛の告白なら“ショコラ”だろう。

さて、男性はホワイトデーでのお返しに何を選ぶ?そのセンスは女性の注目や評価を決める大切な場面だ。

せっかくこだわって選んだチョコやプレゼントなどをどのように渡しますか?こっそり、人目を避けて渡すという声を多く聞きます。

・・・それでは、何だか味気ない気がします。

そこで、さり気無いけど優しい時間をフレンドリーで適度な距離で過ごせる場所をこっそり教えます。星付きレストランでは気負いすぎ、和食だと緊張するし、鮨じゃ話が弾まない・・・。何より相手に気を使わせすぎちゃいます。
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そんな時には、「カフェ・クレープリー・ル・ブルターニュ」がお奨めです。ここは、僕にとってのラッキープレイス。店の雰囲気はブルターニュの日常って感じで、フランス人のフロアマネージャーのゲンヴェール・ドゥニさんに「ボンジュール!」って迎え入れられてたらちょっとフランス気分。気取らず、それでいて非日常のフランスの田舎な雰囲気とホスピタリティに溢れたサービスが、彼や彼女のドキドキ感を和らげてくれます。

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元々は土地がやせて冷涼な気候で小麦よりソバが栽培されていたブルターニュで生まれたガレット。ハムやチーズなどを包んで食べるそば粉のガレットと小麦でスイーツ感覚で楽しむクレープのどれをとっても特別な美味しさなのです。そう、この場面で“素晴らしく美味しい”ということが重要です!顔を見合わせ「おいしいね」って笑顔が溢れること間違いなし!

ハムとチーズのガレットと今の時期に一番美味しいという自家製の林檎のコンポートと塩キャラメルソースのかかったクレープを注文なんてどうでしょう?そば粉ならではの芳ばしい香りとチーズのコクがたまりません。苦味の中に甘さの躍るソースの奥の林檎の爽やかな酸味は、口の中で五感を刺激する最高のハーモニーを奏でるムッチリした食感がたまらないクレープ。絶品だと断言しておきましょう。

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飲み物は、リンゴから作られる発泡酒「シードル」を合わせるのが常道ですが、ノンアルコールならここのアップルアイスティーが良く合います。

この店のキャラメルもまたホワイトデーの有力候補ですよ。

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愛を告白するのか、日頃のお礼か、気になっています、なのか・・・表参道を歩く頃には、少しだけ距離が近くなっているかもしれません。

「美味しいクレープ食べに行きませんか?」から始まる物語に、HAPPYがたくさん訪れますように!

ル ブルターニュ
渋谷区神宮前3-5-4
表参道駅 A2出口より徒歩6分
電話番号:03-3478-7855
11:30-23:00 (LO)
11:30-22:00 (日・祝)
年中無休

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2008年12月13日 (土)

K.u.K.でマイスターの真髄を味わう

日本人唯一のオーストリア国家検定料理マイスター(正式名称 Oesterreichsche Kuechenmeisterpruefung)である神田真吾シェフのオーストリア料理のレストランK.u.K.(カーウントカー)に行って来た。 店名は、皇帝と国王というドイツ語表記の頭文字となっているが、恩人でオーナーの栢沼氏と神田氏自身の頭文字でもある。

オーストリア国家検定料理マイスターという資格試験はドイツ語圏内で実施されており、実務経験が7年以上で、受験資格が一生に一度という難関中の超難関といわれている。試験科目が座学・実技含めて長期間、10科目以上というハードルの高さ。その資格に日本人唯一、西洋人以外で初めて合格したのが神田真吾シェフであり、その名は世界に知られる。

オーストリア料理は、ハプスブルク王朝以来の伝統と高い格式を誇り、今もなおその威光を放っている。

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マイスターのこだわる店内は、石やガラス、鏡を使った気品高くシックな雰囲気。天井のシャンデリアは、ハプスブルク王宮に見られるものと同じロブマイヤー社製だそう。 ウィーンのインペリアルホテルのワインセラーに眠っていたものを譲り受けたという1938年製オスベルガーの物という曰くつきの稀少ワインなども見受けられる。皿は「アウガルテン」グラスは「ロブマイヤー」、カトラリーはベルンドルフ(Berndorf)社のものと食器類もオーストリアにこだわる徹底ぶり。

今回の食事会は、仲間のS君のウィーンのインペリアルホテルで食べた「オマール海老のスープが忘れられない」という一言からはじまった。私自身は、このインペリアルホテルでのスペシャリテを体験した事はないが、ここの出身というシェフが継承したオマール海老のスープを食したことがある。とても印象的で、忘れ得ぬ味わい深さであった記憶から、マイスター神田の修業先であったオーストリアを代表する名スープを作ってもらえないかと相談した。この逸品は、オープン時に一度だけK.u.K.にて再現されたそうだ。マイスター神田は、基本的に一度作った料理を二度出さないというポリシーをお持ちでしたが、今回特別に作って下さるということなったのです。そして、オーストリア国家公認コンディトール(お菓子)マイスター栢沼のカイザーシュマーレンをも別注文してスペシャルな夜の食事となりました。

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オーストリア料理は、一般に経験が少ない料理だと思います。今回は、本当のオーストリア料理の魅力と味わいの深さを体験したく訪れたという訳です。

メニューは・・・

“バインシンケン ウント ロウアーシンケン”
梅山豚の熟成ハムと生ハム

“マリニエルテ エンテンブルスト”
オーストリア産のハチミツでマリネした鴨胸肉のロースト
レーブクーヘンシュニッテと鬼クルミのソース

“フンマーズッペ”
香り高いオマール海老のスープ
メランジュ仕立て 皇帝風

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“ドルシュブルステ ミット シャンパーニャクラウト”
真鱈のソーセージ エストラゴン風味
シャンパーニャクラウトとカルトフェルクヌーデル

“グラナータアプフェルソルベ”
石榴のソルベ

“ゲプラーテネ レーリュッケン”
鹿ロース肉のロースト ブルグンダーソース キルシュ風味
トピナンブールとカルトフェルのグルュステル

“アプフェルクヌーデル”
林檎のクヌーデル マンデルクロカント

“カイザーシュマーレン”
ツヴェッチケンルュスターを添えて

・・・という構成。

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豚肉の中でも幻といわれる梅山豚(めいしゃんとん)という融点の低い旨みの強い肉を熟成して作ったバインシンケン(骨付きモモ肉のハム)は、しっとりと艶かしさがあって、熟成香と旨みがぐぐっと膨らみます。マスタード、メープルシロップ、パセリ、ホースラディッシュなどから作られる特製のソース(甘みと辛みが同じぶんだけ主張)をつけることで、味の奥行きもグッと広がる旨さです。

甘味の中に様々なスパイスを上手に使うことで、食べる部分毎に味わいの変化が楽しめる料理へのメッセージは、マイスターが確かな技術と伝統の継承を守っていればこそ。歴史の奥深さとその完成された料理の技法やマイスターの感性が生み出すピンポイントの見極めを体験します。

今回の目玉ともいえる「オマール海老のスープ」では、思わずテーブルに着く世界中の美食を楽しむ仲間も唸りました。30尾ものオマール海老を使って醸し出される濃厚なエキスの皇帝風スープは黄金色に輝いて、一生心に残る至味との出逢いとなった。本場と同じくお代わりを提供されたが、そのオマールの身が2杯目にも出された点が、マイスター神田のこだわりだと感激。「しみじみ旨い」。これ以上のスープには、そうそうお目にかかれるものではないだろう。

鴨、鹿、真鱈などへの火の通し加減も絶妙で、その正確さは本当に敬服する仕事ぶり。テーブルを囲むうるさ方の笑顔を見れば満足度が判るというもの。付合せへの丁寧な仕事やソースの味やバランスともに、オーストリア料理を改めて素晴らしい料理なのだと素直に感じさせてくれた。

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最後のデザートでは、キュッヘンマイスター神田とコンディトールマイスター栢沼の皿から選べるという贅沢な演出でした。6名で楽しんだ美食の会の締めで、5名がマイスター神田を選択。私だけがマイスター栢沼の皿を選択。世界が認める2人の日本人マイスター「K&K」、つまりドイツ語表記で「K.u.K.」に敬意を表したかったのです。

フレンドリーながら品格のあるサービス、食空間ともに快適で居心地が良い。

都会のビルの谷間にひっそりと、しかし威風堂々と佇むオーストリア菓子&料理の殿堂に、日本人として誇りに思える時間を感じた食事会であった。

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2008年12月10日 (水)

新しいレストラン格付け本が誕生 !

来年2009年の秋に、レストラン格付けガイドブック「アテナイオス」の出版を日本フードアナリスト協会設立3周年パーティー記者会見で発表致しました。

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 これまでのグルメ格付けガイドブックにはない、日本人でなければ評価できない料理文化、美意識までも評価軸に加え、レストラン格付けをする試みです。レストランの格付け情報のみではなく、外食・食品業界におけるニュース、統計、社会動向を掲載します。
 アテナイオス1冊で、その年の外食の動向が掴める内容となります。

 この度、レストラン格付「選定委員長を任命されました。

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 《アテナイオスの概要》
 【タイトル】  アテナイオス
 【価 格】   2,000円台後半
 【発売日】   2009年10月20日頃
 【発行部数】  50,000部予定
 【掲載店舗数】 250~300店予定
 【対象店舗】  東京都内のレストラン

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2008年12月 9日 (火)

今注目のパティシエ マーク・グレイス

たまたま出張で出向いた兵庫の住宅地に新しいパティスリーが出来たというので、仕事の合間を縫って出かけてみた。

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さりげない住宅街佇む新しい空間は、一見お菓子を扱っている店だと思わない人もいるという。ショーケース越しに見えるマカロンで作られたクリスマスツリーのその仕事に只者ではない技術が見て取れる。

店内に入るとそこはパリを感じさせるセンスの良さ。細部にまでシェフ・パティシエのこだわりが行き届いた空間に仕上がっている。

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美味しい物は、見て判る。と、常日頃から言っていることを証明するかのように、見るからに美しく精度の高いお菓子が並んでいた。圧巻はマカロン。その種類、色、食材に個性とシェフの独立への自信がオーラを放つ。早速、店内で食べてみる。

マカロン、ケーキを数種類。程なくして、マーク氏が挨拶に来てくれた。東京から来た客の第1号の称号を頂く(笑)。

さて、その感想だが、フルーツや食材の香りの立ち方が秀でている。ちょっと他には経験のない程のレベルで素晴らしいのだ。酸味と苦味というバランスを崩せば、不味くさえなる要素を上手さへのアプローチで最上限まで引き立たせるその感性は、超一流の仕事である。

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世界中のパティスリーを食べ歩き、パティシエにもお目にかかったが、TOPレベルと言っていい才能だと思う。もちろん全てが完成されている訳ではないが、この先どれほどの素晴らしい仕事をしてくれるだろうかと思うと目が離せない。

日本への敬意を菓子の中に見つける事が出来る。マーク氏が使う材料に、抹茶や柚、シソ、うめ、小豆などがあるが、その使い方と味の出し方には経験のないほどの感銘を受けた。その世界観は、京都の和菓子の感性とさえ感じられる。

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ラデュレやピエール・エルメでの修業経験を持つが、決してそれらメゾンの真似ではないマーク・グレイスというシェフ・パティシエのオリジナルな味が「世界中でここにだけある」ことの価値は計り知れない。

久々に五感をフルに神経を尖らせてお菓子に向かいました。マーク氏が出してくれた様々なお薦めの菓子たち・・・10種類くらいは食べたでしょうか。酸味や苦味の他、洋菓子で淡味を感じられる世界は初めて。それぞれの個性を味わい、今後の活躍を見逃せない新星に乾杯!

彼の感性でなら、塩気の強いチーズ(ブルーチーズなど)と蜂蜜、リンゴとショウガ、きな粉、酢橘、桜、日本酒、トンカ豆なども食べて見たいものだ。ピエール・エルメ氏の感性による山葵は最上の味わいのマカロンであったことからも、既成概念や固定観念では測れない新作を望む。

マーク・グレイスの菓子とシャンパンを片手にクリスマスを迎えるなんて最高です。いかがでしょう?

■「GLAMOURDISE(グラモウディーズ)」
  兵庫県神戸市東灘区岡本1-4-22
  Tel:078-436-8818
  Open 11:00―Close 21:00 
  (無休)  

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2008年12月 4日 (木)

日常の小さな楽しみ

お気に入りの散歩道、ふと立ち寄りたくなるお気に入りの店。

住宅街にひっそりと佇む小さな店「VECTOR(ベクトル)」は、そんな中のひとつだ。

何よりコーヒーが旨くて、とっておきは「アボカドチーズバーガー」である。

Photo 本物だけが持つ旨さを存分に蓄えた最高のハンバーガー。両手で掴んでカブリついて欲しい。

香り高いコーヒーと、このハンバーガーがあれば最上の時間が約束される。

テラス席でゆったり本を楽しむも良し、犬の散歩に立ち寄るも良し・・・バタバタと羽根を羽ばたかせ飛び回る日常の止まり木として欠かせないホッとする時間を過ごせる場所を持っていますか?

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2008年11月 8日 (土)

ベーカリーファンタジスタ開催!

11月6日(木)~19日(水)までの2週間、長野東急百貨店において「ベーカリーファンタジスタ」と銘打ったパンの祭典が開催されている。

長野県内でセレクトされた名店20店舗以上と、東京からはスーパーパティシエとして名高い辻口博啓氏が手掛けるコンフィチュールが初上陸。

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このイベントのプロデューサーを担当させて頂いていますので、開催日の会場でお客様の反応が気になりました。

当日は、会場前から長蛇の列が出来て7階の会場からデパート2階まで、200名以上のお客様がこのイベントを待ち侘びて下さいました。

テレビ信州の「ゆうがたGET !」という情報番組の10周年記念イベントとしても、視聴者からのアイディアをパンとして限定販売するなど大盛況です。

朝11時会場のイベントで1便が12時半には全てのパンが完売となってしまったほど。そして14時に再入荷するも、16時半には全てが完売という人気ぶりです。このイベントでなくては食べられない新作も目白押しです。

辻口シェフ渾身のコンフィチュールたちも大好評で、厳選した12種類に加えて、このベーカリーファンタジスタのための長野スペシャルという限定コンフィチュールが登場しました。リンゴとジンジャー&はちみつのものと、はったい粉と栗の2種類です。僕自身も売り場に立って素晴らしいパンやコンフィチュールをPRしてお客様の喜んで下さる笑顔に触れて大満足のスタートです。

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パン好きの皆さん、ぜひこのイベントにお越し下さい。たくさんの発見と美味しい出逢いが待っています。

※大盛況のうちに終了致しました。

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2008年10月17日 (金)

「HAL YAMASHITA」 山下春幸シェフの世界

食・食文化の勉強を続けていて、原点に返ろうと旅をして来た。立ち寄った京都で、日本の伝統食文化の粋を椀物で知る。塩、一粒足されたら壊れてしまうのではないかとさえ思えるギリギリの細い線に描かれた透明の歴史図・・・。そんな究極の味に出会えたことこそが、旅の醍醐味。出来立てでしか味わえない、京上生菓子の最高峰との対峙には、伝統と言う重みに対しての尊敬の念を深めた。邪念無く只食べる事に無心で向かえた至福の時間であった。

縁あって人は出会うものだと思うが、その縁の深さを意識せざるを得ないかのように連続して、六本木ミッドタウン「HAL YAMASHITA東京」の山下春幸シェフとの対談や取材の機会が重なった。その中で、1対1で厨房とカウンターテーブルを挟んで食事をするという光栄を授かった。何度となく食べて来た山下シェフの料理の中にある「何か」を見つけたくて、席に座る。

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ハルさんの料理は、とても「ピュア」であると思う。しかし、ピュアなものを作ろうとして作っている訳ではない。選ぶ食材、調理方法、組み立て方、料理人の心、全てがピュアである結果として「ピュア」に仕上がるのだ。最初から全てのプロセスがクリアでないと、透明な水に墨汁が一滴でも落ちれば濁ってしまうのと同じに誤魔化しは利かない。

食べ手から考える料理には、体が欲して食べたくなるものと、興味や勉強のために構造を理解したいなど好奇心から向かうものがある。こうしたものをフランスでは「理解を探す」と、いうそうだが、世界でもNO.1とも評されるスペインの三ツ星レストラン「エル・ブジ」やフランスの「ピエール・ガニエール」の考え尽くされて高度なテクニックを駆使して作られる料理では、見た瞬間に反射的に面白く感じられることはあるが、すぐに喜びや満足感には結びつかない。そこに辿り着くまでに、どうしても時間的なズレが生じる。理解を探さざるを得ないというのは現代美術を鑑賞するにも似ている。

ハルさんの料理は、もっと素直に、もっと直截に、人の心に入っていけるものでありたい。そう感じる。人の心にストレートに通じるクリアなものであり、そして、体にいい料理でありたいと聞こえてくるようだ。それは、食材の選び方、保管の仕方からも見えてくる。

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カウンターのガラスケースの中に並んでいる食材の中には、一見水分がなくなってしまっているように見える魚などが見受けられる。一般に料理を提供する側は、見せる食材には外見を気にするために、定期的に水をかけたり、浸けたりとしたがるものだ。日本の調理レシピでは、食材の臭みを抜くという下仕事がよく用いられる。必要以上に洗ったり、時には牛乳につけたり・・・。フランスなどでは、食材の本来の味や香りを逃さないようにとっておくことが大事とされる。だから、魚もなるべく水につけないようにするし、帆立や牡蠣なども殻から出したら、一切水にはつけず、布巾で砂を取る程度にする。きのこ類も然り。適度の熟成は見た目を誤解させる場合がある。肉などの熟成では黒く変色してカビなどが被う場合も在るほどだ。食材のクセは個性なのである。だからこそ、その食材への信頼がとても大切で、ハルさんはその部分に大変な労力をかけている。全ての部位が安心で安全に食べられることにこそ生産者のプライドが垣間見える。だから食材のすべてが調理される。結果として、感謝が表せるのだとも考える。

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目の前で、山下シェフは調理を始める。全くのアドリブにて食材の組み立てを行なう。指示が飛び、時に閃きで変更される。料理をする時は何も考えていない。そう見えてしまうほど、流れがあって自然である。無の境地ともいえるのかもしれない。
身体が自然に動いて、自然に料理が生まれていく。全ては感覚的な世界である。そこには「魂胆」など何もない。ここで料理の味や解説などという野暮をいうつもりはない。ひたすらに愉しく刺激的で、至味の世界を堪能させてもらった。

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五感で感じて味わい、発見と驚きを体験して欲しい。レストランでは、リラックスして出された料理を楽しむことに尽きます。

万人が全て等しく美味しいという料理など存在しない。その人の知識・教養、歴史や背景、積み重ねた情報の解析能力などで感じ方は千差万別だからこそ、相性と言うものが大切なのだと思う。自分の感性に合う味を見つけたら大切に長い付き合いをお薦めする。双方が刺激し合い、お互いを高め、未来を見つめられる関係が築けるかもしれない。

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味に国境などない。ハルさんの料理が世界中の人の舌を満足させられるという確信を得て、いずれそのシーンを同じく共有してみたいという想いを強めた。

どこに向かっているのかを知るために、どこから来たかを忘れてはならない。
京都で出会った究極の伝統の味に触れ、ハルさんが作り出すその日本の伝統を“精神”で継承する新しい世界観を見つけられた。『こだわらず』『とらわれず』、【無我の境地】の中にこそ彼の料理哲学の究極の答えがあった。

料理道、道半ば。山下春幸という料理人から目が離せない。

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