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2007年10月14日 (日)

ヌーベルキュイジーヌについて Vol.1

オーギュスト・エスコフィエの著書「料理の手引」がフランス料理のスタンダーとして確立されて以降、ホテルやレストランの料理長は、この技術体系をいかに忠実に守って調理するか、ということが求められた時代がある。

このスタンダードが出来た事で、世界中の料理人が忠実に調理に向かう事でフランス料理が名実共に世界に大きく広がった。

この事は、実際に料理を作る側からみると大きな壁となって目の前に立ちふさがったともいえる。料理人たちにとっては自由がないと感じられるようになり、この壁を打ち破りたいと思う料理人が出はじめる。

70年代の初めの「ニューズウィーク」の表紙に登場した、腕組みをしたフランス人の料理人こそポール・ボキューズ。そこには大きな文字で「エスコフィエ セ フィニ」。エスコフィエの時代は終わったと宣言したのだ。

戦争が終わり、経済が安定して、そうした動きが各地のレストランから起こり始める。決まり切った料理を毎日作のではなく、まず市場で自分の気に入った食材を選び、そこから料理を考える。大きな変革であった。

この変革の動きを当時は「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼んでいた。新しい料理という意味だが、同時にこの言葉は料理の一つの主張でもあった。
旧い体制への変革の意思を表す象徴的名標語でもあったわけだ。

一方で、ジャーナリストがこの標語を一つの運動として象徴として使った事だろう。アンリ・ゴーとクリスチャン・ミヨという二人のジャーナリストがその中心だった。食べる側のニーズや共感を取り込みつつ行われたという事に、大きな特徴があったといえる。

二人のジャーナリストの名前から「ゴー・ミヨ」と名付けられた月刊誌と、年に1回発行されるガイドブックにおいて精力的にヌーベル・キュイジーヌの運動を推し進めていった。

ちなみにゴーとミヨが考えていたヌーベル・キュイジーヌの定義は次のようなものだった。

①いたずらに複雑にしない
②加熱時間を短縮する
③市場の料理する
④料理の品数を減らす
⑤マリナードやフザンダージュ(ギリギリまで肉を熟成させる)事をやめる
⑥濃くて重いソースを作らない
⑦郷土料理を見直す
⑧新しい調理技法を取り入れる
⑨ダイエットなど身体に良い料理を研究する
⑩料理に創造性を追求する

これらは、エスコフィエが集大成した、高級フランス料理(オート・キュイジーヌと呼ばれる)の部分的な否定であり、時代が要求しはじめた「身体に良く軽い」料理の追求だった。

スタンダードを持つ事によって世界の料理として確立されたフランス料理は、そのスタンダードがあまりにも良く出来た技術体系であったが故に、そこから抜け出そうとしてヌーベル・キュイジーヌという大きな料理の改革運動を押し進めたわけだが、この変革運動は大いに評価すべきことであり、それなくして現代のフランス料理は語れない。

【写真はゴー・ミヨ】

「ゴー・ミヨ(Gault Millau)」
元々は、料理批評家アンリ・ゴー(Henri Gault)とクリスチャン・ミヨー(Christian Millau)が始めた、レストランガイド書籍。1969年創刊。
味のみでレストランの辛口批評をし、一世を風靡した。ミシュランに次ぐ権威あるレストラン批評、あるいはミシュラン以上とされた。
そのレストランの味を20点満点で評価する。現在の最高点は19点まで。これは、完璧20点はあり得ないという、ポリシーによる。
以前は0.5点刻みをしていて、最高点が1993年、ミシェル・ロラン(Michel Lorain)に与えられた19.5点だったが、1998年からは、1点刻みに代わった。 と思っていたら、記録は破られるためにあるが、2004年年オーヴェルジュ・ド・レリダン(L'Auberge de l'Eridan)に何と!!20点満点が与えられた。シェフは、マルク・ベイラ(Marc Veyrat)。

参考【ゴー・ミヨ】より

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