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2007年12月15日 (土)

チョコレートの技術と歴史

ヨーロッパではチョコレート専門店が数多くあり、とても芸術的で美しい一口チョコなどが売られています。アメリカのハーシーなどに代表される大量生産のチョコレート(これもおいしいですが)とは対極なイメージです。

これらの美しいチョコレートを見ていると、中世から近代の長い歴史の中で発展してきたように思いますが、実はその歴史は意外と短く、せいぜいこの100年ぐらいしかありません。以前古代からのチョコレートの歴史について書きましたが、今回は近世のチョコレートの発展について、簡単にご紹介します。

南米で生まれたチョコレートは、長い間飲み物、しかも体によい嗜好品として飲まれてきました。16世紀始めにスペインにもたらされてからも、スペイン王室門外不出として、すりつぶしたカカオをお湯にとかして飲んでいたのです。

1615年ハプスブルグ家のアンナがフランスのルイ13世に嫁ぎ、チョコレート職人を連れて行ったことで、当時のフランス上流階級にもチョコレート(ショコラ)を飲む習慣が広まりました。しかしフランス革命による貴族の没落とともに、貴族社会の象徴であったチョコレートもすたれ、代わって大衆の飲み物であったコーヒーが嗜好品の中心になっていきました。

その後もチョコレートは細々と飲まれていましたが、カカオは油脂分が多いためお湯に溶けにくく、飲みにくいものでした。18世紀にオランダのバンホーテンが、カカオをココアとココアバター(油脂分)に分離し、さらにココアを粉末化することに成功しました。これがヒットして、再びチョコレートは表舞台に登場してくるのです。

さらに1847年にイギリスのフライ社が、カカオペーストに砂糖とココアバターを混ぜて型に入れて整形した固形のチョコレートをはじめて販売しました。しかし当時のチョコレートは苦すぎる欠点もありました。

カカオとミルクの相性がよいことは知られていましたが、なかなかうまく合わせることができませんでした。1876年にスイスのろうそく職人だったダニエル・ピーターが、カカオペースト,砂糖,ミルクを混ぜ合わせたものを乾燥させて粉末にし、それにココアバターを加えて成形することに成功しました。これがミルクチョコレートの始まりです。ココアバターとろうの性質が似ていたので、ろうそく職人の技術が役立ったのです。

当時のチョコレートはザラザラしてなめらかなものではなかったのですが、その後機械の発達により、粒子を細かくすりつぶし練ることで、現在のようななめらかでつやのあるチョコレートが作れるようになりました。あの美しいチョコレートも、長い間の技術開発の賜物なわけですね。

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