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2007年12月18日 (火)

塩梅

塩梅という言葉は、昔、塩と梅干を水に溶かしてそれを調味料にして使った事に由来します。人間の身体には0.9%の濃度で塩分が含まれていて、この値は、その日の体調や地域、季節などによって微妙に変化しますが、だいたい0.81.2%くらいの間で変化し、この値と同じ程度の塩加減に人間の舌が心地良いと感じるといわれています。つまり「塩梅」の良い加減ということです。

「塩梅のわかる料理人が優れた料理人」だと僕は思っていますし、実際料理の現場でも口が酸っぱくなるくらいに塩梅という言葉が飛び交ったりします。それは、食材の持ち味を引き出す一番の立役者が「塩梅」に他ならないからです。

塩梅は、出汁の濃さとも関連しています。
「出汁がこのくらいの濃さだから、ここはちょっと塩味を控えてみようか」というふうに、塩と出汁にはある一定の方式がありますね。このバランスがとれていると、ビシッとその料理人の味が決まります。

食べる側は、そのビシッと決まった味に酔うわけです、「いい加減だねぇ」と。逆に、耳かき一杯塩が足りないばかりに、あるいは耳かき一杯塩が多いが故に「何だこの味は!?」となってしまいます。

塩といっても本当に様々にあるので、その組み合わせで可能性はです。

かのロブションなどは、陸の動物には陸の塩を使い、海の魚貝には海の塩を使い分けているといっていました。そもそも、魚がどこの海で獲れたかで味が違うように、塩も様々です。

料理の基本である塩梅。いかに技術を磨こうとも、基本を忘れてはいい味は出せません。素材の味を調理する事でマイナスにしてしまっては意味がなくなります。本当の名人は、手を加える事でいっそう美味しくなる調理が出来るものなのです。

素材の持ち味を落とした例ですが、あわびのしゃぶしゃぶというとても贅沢な料理に出て来たスープが鰹出汁だったんですね。これではせっかくのあわびが生かされません。昆布の出汁であるべきなんです。ちゃんと理由があって、「あわびは昆布などの海藻を食べているのですから、組み合わせるなら昆布」なのです。素材に手を加えるなら組み合せと相性は大切です。

「うまいもの」に近づけるには、やはり経験と組み合せなどの知識など、頭で考えることも要求されるのです。手間隙を惜しんでは美味しい物は作れないですし、食べる側は、作り手の心意気が見える料理に出会った時に至福の喜びを感じるものだということですね。

作る人、サービスする人、食べる人が「三位一体」となって、「食べる」という行為が完成するのですから、どの分野も怠らず学ぶ事の大切さを心がけたいものです。 

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