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2008年3月

2008年3月31日 (月)

食と音の関係

Photo 食べるという行為は、五感を使って色んな情報を脳で判断している。美味しいや楽しい、快適といった事柄は、あらゆる感覚に影響されるのだ。そんな感覚の一つ「聴く」つまり音や音楽も大切な要素である。五感のヒエラルキーからいっても味覚は聴覚の下層に位置するから、耳から入る音が不快なものであった場合、味覚も正常に働かない。フランスの小学校での苺のシロップで甘味と香りを付けたソーダ水を飲ませる実験では、食堂のガヤガヤした雑音を聞かせて飲んだ状況が最も味の評価が低かった。耳障りな雑音は、味覚の感度を悪くする事が研究結果でも証明されている。一方、耳に心地良い音は、逆に食欲を増進させてくれる。レストランなどでかかっているBGMがその代表だが、心地良い音楽を聴くと気持ちがリラックスするだけでなく胃腸の働きも良くなるのだそうだ。

音楽にも色々あるが、耳に心地良いかどうかは音の「ゆらぎ」によるそうだ。ゆらぎとは、連続する音が高低、あるいは強弱に揺れる幅の性質のことで、大きく三つに分けられる。揺れがバラバラで激しいのは「1/f0ゆらぎ」といわれ、破壊的な音になる。自然界でいうと地震、雷、火事、災害の類の音。音楽では騒音に近い大音量のハードロック系ミュージックだ。反対にスロー過ぎるテンポや、短調なリズムを刻む音は、揺れがゼロに近い「1/f2ゆらぎ」といわれ。脳への刺激が少なく、音楽では子供を眠らせる時の子守唄のようなものになる。その中間にあるのが「1/fゆらぎ」で、適度なリズムと刺激を持つバランスの良いゆらぎ。この「1/fゆらぎ」を持つ音が、耳に最も心地良いのだそうだ。

故・美空ひばりさんや宇多田ヒカルさん、吉田美和さん(DREAMS COME TRUE)の歌声や、ナレーションで有名な森本レオさんも「1/fゆらぎ」なのです。意外なところでは、「般若心経」がリズムといい読経の言葉といい、理想的な「1/fゆらぎ」の性質を持っているのだそうだ。

クラッシック音楽の9割が「1/fゆらぎ」の特性を持っている。

音楽療法や胎教などでは「1/fゆらぎ」のクラッシック音楽が使われているが、植物や動物の成長にも良い影響を与えることはすでに実証済である。バッハの曲を聴いて育ったトマトが美味しい実をつけたり、乳牛もモーツァルトの曲を聴きながらだと乳の出がよくなったり、ワインもクラッシックのBGMの中で醸造したら美味しくなると言われている。逆に「1/fゆらぎ」から外れた音楽をいつも聞かせた花は枯れてしまったり、中には奇形の花びらをつけたものまであるそうだ。

17・8世紀のヨーロッパでは、王侯貴族がおかかえの演奏家を呼び、生の音楽を聴きながら食卓を囲んだそうだ。この音楽は一般に「食卓の音楽」と呼ばれ、宮廷おかかえの作曲家が作っていた。その時代を代表する名曲は、18世紀における国際的な名声はバッハよりも高かったといわれるバロック音楽の巨匠ゲオルク・フィリップ・テレマンが1733年に作曲した「食卓の音楽-ターフェルムジーク」だ。バッハほど重くなく、モーツアルトのように艶があり、聴きながら食事をすると優雅な気分にさせてくれる。この曲は、科学的に分析しても理想的な「1/fゆらぎ」の構造を持っているのだ。

日常の食事時にテレビを消して、BGMを「1/fゆらぎ」の音楽に替えるだけで、食事がより快適で美味しいものになるかもしれませんね。

<参考文献>【音楽は「聴くクスリ」】(渡辺茂夫著、PHP研究所刊)、【フランス流美食の探求】(鳥取絹子著、平凡社新書)

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2008年3月27日 (木)

現代人は、生命体として二流?

Photo_2 プロスポーツ選手のマネージャーをしていた経験から、スポーツ医学について多くを学ばさせて頂きました。また、幾多の医療関係者とも交流させて頂いています。
中でも興味深かかったのはY医学博士です。専門が「正常分子医学」という分野で、栄養と病気には密接な関係があるといつも解説してくれました。病気になる原因の言うのは、基本的に細菌やウィルスだけではなくて、人間の生命システムが低下した結果起こるのです。残念ながら今の日本人の食生活からは失われている現状を嘆いておられます。
「今の日本人は生命体として二流になってしまっている」とも警鐘を鳴らしています。

生命体として二流・・・ショックな言葉です。

花粉症や色んなアレルギー、糖尿病や癌なども増えています。あるいは、プロ野球選手や大相撲などのスポーツ選手が故障しがちで、それが原因で試合に出れなかったり、引退を余儀なくされてしまうケースもみられます。東京オリンピック以降、生活の便利さは加速度的に発展しましたが、肉体的な強さは損なわれてしまった。逆に、人口4000万程度の韓国などは、スポーツの分野で目覚しい向上を見せています。やはり、韓国人の肉体が強靭な理由の大きな部分をキムチを食しているという点に注目が集まっています。「キムチのような発酵食品を食べるということは凄く重要な事なんです」とY先生は力説する。
アジア人になぜ肥満が少なかったかというと、中国・韓国・フィリピン・タイ・マレーシアと、みんな発酵食品を食べてきたからです。日本人の場合も味噌や納豆などが体に良かったのです。
欧米化した食事、ファーストフードなどの食生活の変化が日本人の体を弱くしたとさえ言われています。

アメリカが唯一、戦争で負けたのはベトナムですが、ベトナム兵は脅威の集中力を持っていて、敵と対峙していても4時間くらいはピクリとも動かないでいることが出来たのです。この脅威的な集中力こそが本来のアジア人の能力なのだそうです。
多くのスポーツ選手の体を見続けているY先生曰く、タイガーウッズの集中力も、母がタイ人という血を受け継ぎ、食事に発酵食を摂り入れているお陰なのだとか。

今の日本人は疲れがちで抵抗力が弱く、若者ですら路上で座り込んでいます。韓国の青年は3年間の兵役に就く義務がありますから比べるまでもありません。

健康な体を作る素は何かといえば「食べ物」。その基本のライフスタイルがダメになっている。それが原因で日本人は外国選手と戦えなくなってしまった・・・という見解から、スポーツ選手の肉体改造を筋力トレーニングだけでなく、食生活から変えることに取組みました。僕の担当選手は、結果として世界新記録(全16戦中11勝で50年ぶりの更新)を樹立しての世界チャンピオンに輝いたのです。

特に脆弱になった理由がミネラル不足だそうです。中でもマグネシウムは1日300ミリグラムは必要だといいます。不足すると心臓病や様々な病気を引き起こす要因になり得るそうです。カルシウムは摂るけどマグネシウムは摂らないでは、働きが悪くなります。
但し、今の時代の食べ物には有害物質がたくさん入っています。水銀や鉛、抗生物質や食品添加物など。しかし、必要悪の部分もあるので抑えることは出来ません。便利を買っている部分もありますからね。
だからこそ、解毒が必要となってきます。便や尿からも排出されますので、水分を多めに摂る事も大切です。代謝も上がります。しかし、それだけでは充分でなく、もっと積極的に毒素を排出させようというのがデトックスというやつですね。

スポーツ選手では「ファスティング」を行う場合があります。これは専門的な医者の管理の下に行う断食です。
現代人のように高脂質・高タンパクの食生活を続けていると、胃や腸や膵臓は消化酵素をたくさん分泌するのです。なのに、消化の働きを助ける食物が少なくなっています。食物酵素を取り入れると胃や腸、膵臓の負担が軽くて済みます。現代人は疲れ果てていて、抵抗力も弱い・・・悪循環です。
ファスティングが体に良いのは、そんな疲れ切った胃や腸を休ませて消化液を出さなくて済む期間をとることによってオーバーホール出来るからなのです。そして、オーバーホールすると、その余ったエネルギーが、更に代謝酵素に回ります。つまり病気などを治すエネルギーに変わるのです。
ボクシングの減量なども科学的にはこうした理論が考慮されたものです。
加えてファスティング中はテレビやニュースなども見ないほうが良いのです。それほどストレスなどの精神的な部分も体に影響を与えるのです。心も穏やかに過ごせる時間は人間にとって大切なものです。

頑張り過ぎの皆さん、程よく休むのも勇気ですよ。

注)ちゃんとした知識のない、無理な断食は逆効果です。

正しく食べるという知識を身につけて、生命体としての質を向上させましょう。

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2008年3月26日 (水)

食事と会話

Photo トルストイの「アンナ・カレーニナ」の中には、いつの時代でも変わらない、大切な言葉が散りばめられています。

ある一節に、リョービンとオブロンスキーがホテルのレストランで交わす会話があります。二人は、田舎で労働している人と都会で暮らしている人の、服装や爪の形などに見られる違いについて話しています。

「・・・つまり、僕たち田舎者は早く仕事に取りかかれる様に、急いで飯をかっ込むのに、今、僕と君はあまり満腹にしないように牡蠣なんか食べているじゃないか。まぁ、それが滑稽に見えるのと同じ事だね」
「いや、もちろんだとも。しかし、その点にこそ、教養というものの目的があるんじゃないか。いっさいのものから快楽を作り出すということが」

このあと、リョービンは、「それが目的なら、僕はむしろ野蛮人でありたい」と、カッコよくスネてみせるのですが、この「いっさいのものから快楽を作り出す」という言葉は、人生を滑らかに生きて行く上で、ひとつのキーワードになっています。むしろ快楽というより「喜び」「愉しみ」という言葉に置き換えた方が解かりやすいかもしれません。

ちょっとした言葉や動作で、その場の雰囲気を明るくしてくれる人は素敵ですね。

食と食文化の勉強をしていて、日頃意識していなかったのですが、最近どんな職種や年齢、性別の方と食事をしても話が噛み合うようになって来たと思える事に気付きました。その大部分がフードアナリストとして学んだ事に助けられているのです。

今まで食事をして来て、楽しかったとか印象に残っている食事会は全て「会話が楽しかったな」と思います。
料理の美味しさと同じくらいに同席者との会話は、食事の時間に大きな影響を与えるものなのです。

笑顔と楽しい会話は、食事を美味しくさせてくれるスパイスのひとつなのかもしれませんね。

近々ある友たちのと食事会のために面白ネタをせっせと集めるフジーニなのでした(笑)。 

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2008年3月25日 (火)

料理は脳トレ

Photo 脳にとって最も大切な物、それは栄養です。
一般に脳細胞の栄養といえば「糖」と言われていますが、厳密に言うと「グルコース」という炭水化物を元とする物質が主。
しかし、だからと言って炭水化物や甘い物ばかり摂っていればいいというわけではありません。
神経細胞そのものや神経伝達物質を作ったりするのには脂質もタンパク質も必要です。もちろんビタミンなども必須になってきます。

脳に必要な栄養をサプリで摂ってしまおうという考え方もありますが、もちろんベストなのはサプリメントに頼らずに食事で摂取することです。一説によると同じ栄養素でもサプリメントなどで経口摂取するのと食事から吸収するのでは吸収率に格段の違いがでることが多いとのこと。
また、脳に関係する必要な栄養素はそれこそ星の数ほどあることでしょう。サプリメントに頼ってばかりでは摂りきれません。

サプリメントはあくまで通常の食事では摂りきれない不足しがちなものを補うという感覚で摂るのがいいでしょう。一日のエネルギー摂取量の約18%を消費するといわれている脳ですが、その元となるのは薬ではなく食事。まずはバランスの良い食事を続けることが健康な脳を維持する一番の薬かもしれません。

自分で料理をすることは、脳に良い効果をもたらします。と、言うのも、料理をすることが脳に取っても非常に良いトレーニングとなるからです。脳は手先を使ったり考えたりすることで活性化しますが、それだけでは前頭前野の活性化には不十分です。

前頭葉は感情や脳の各部の活動に影響しますので、ただ指先を使うより、達成感などの感情や、複雑で複合的な身体の働きを伴わないと活性に影響しづらいのです。しかし、料理をすることは達成感など様々感情を伴うだけでなく、火や刃物を使うことによる危険予知や、合理的効率的に作業を行う脳力や食材などの味や触感などを想起する感覚的刺激など様々な要素を伴う脳の活性化に優れた作業なのです。

実際に料理中の脳の血流量を調べると前頭葉だけでもかなりの活性化を示し、音読や計算中などの血流量とくらべても遜色ないほどの活性化が示されるようです。

指先を使ったりすることは確かに脳にとって良いことなのですが、実際はただ指を使うだけでは大きな脳の活性化はみられません。しかし、料理はただ指先を使うだけでなく、それ自体が創作活動であることが脳の活性化につながっているのです。

創造性の高い活動を行うことにより前頭葉が活発になり脳の指先を司る部分をサポートします。それにより脳全体が活性化するのです。また、料理中は火や刃物など危険をともなう物を多く扱うため自然に脳は活性化し危険を察知しようとし、これが脳の活性を高めます。さらに料理は、段取りを考慮するなど様々なことを考えながら行うのも脳を使うことになり前頭葉の活動を活発にさせるのです。

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2008年3月24日 (月)

雨に想ふ

Photo_2 今日は冷たい雨が降っています・・・

父が子供の頃、雨の日には結構、唐傘を差す人が多かったそうだ。子供用の唐傘は小振りで可愛いかったが壊れやすかったし、油紙の部分が破れて見すぼらしくなるという。傘が壊れると、「蔵からもっておいで」と言われ、蔵の壁際には真新しい屋号入りの番傘、婦人用の蛇の目傘、子供用の唐傘が整然と並び吊され、蔵窓からの仄かな明かりに鈍い光を放ち、それは見事なアートの世界だったと懐かしそうに語る。 

ずんぐりした番傘の横に、蛇の目傘はほっそりと華奢に並んでいたが、父は、早く大人になってこの傘を差したかったという。和服用の雨コートを着た祖母が、畳まれているときは漆黒のその傘を開いた途端、真っ赤な二重丸の蛇の目が雨を遮る。この瞬間の美しさに憧れたものだそうだ。日常の中でさえ、こんな粋な演出を生んだ日本の職人芸に感服する。

子供用の唐傘が一本だけになると、父の兄か父のどちらかが大きな番傘をさして学校に行かなければならない。だから、朝雨の音を聞くと、競争をして早く起き、ご飯もそこそこに傘の取り合いになったそうである。

日本人は竹と和紙を使用した色々な民具を育ててきました。扇子・団扇・堤燈そして和傘。どれも竹の骨組みと和紙の融合により作り出される優美な民具ばかりです。こ れのルーツはどれも中国なのでしょうが、ごく自然に日本的美意識による改良が繰り返された結果、原産地の品々とはひと味ちがう姿に成長したのだと思われます。

和傘のことをから傘(唐傘)と呼ぶ人もあります。唐傘は中国の傘の意でなく、開け閉めが自由にできるカラクリ細工の傘の略称だとも言われます。平安絵巻に見られる 傘(蓋)は貴人に差しかける、開いたままの傘で閉じることが出来なかったのですが、それが進化して現在の複雑な構造が出来あがったもので、往時の人々が(カラクリ)と思ったのも不思議ではありません。

現存する竹製品の内、和傘の骨組みのように複雑なものは他に見出すことは出来ません。その仕組みだけでなく、傘を閉じた時の美しさを追求し続けた先人の努力には頭 が下がります。洋傘と比べて骨の数が数倍もあり、そのうえ張った紙を内側に畳み込むのです。そして閉じた傘の形を最初に割った竹の姿に戻すように細心の注意を払います。できあがった傘は竹林の中に育っている真竹のように滑らかで、気品のある姿が理想とされてきました。

日本人が世界に誇る民族文化ですね。

「唐傘をさすと、雨がパラパラと音を奏でる。この音が待ち遠しくて仕方なかった。」という言葉がすごく印象に残っています。

寒くて鬱陶しいというイメージの雨を情緒と捉える昔の人々の感性を大切に継承したいと思う朝でした。

そうだ、和傘を買って、雨の日を愉しんでみようかな。

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2008年3月23日 (日)

朝食を楽しもう

Photo 皆さんは朝食を摂っていますか?
我が家は、朝食をとても大切に考えて楽しんで摂ってます。
何てったって一日をスタートさせる大事な時間で、頑張れるエネルギーの補充でもありますからね。

和食、洋食を問わず用意する朝食ですが・・・ん?そういえば、「洋食」って何で洋食っていうんでしょうね?洋は海の事かな?
西洋に対して東洋があるにも関わらず、洋風、洋食って西洋を指していますが、何でなんでしょう?誰か語源を知りませんか。教えて欲しいです。

話が脱線しましたが、朝食の楽しみの醍醐味はやはり旅だと思うんです。
旅先で、出会うその地域や環境で供される朝食には、メッセージがあります。
ホテルでの、ルームサービスで用意されるブレックファーストにはちょっとした贅沢感と優雅な雰囲気が、メインダイニングで食べる際の焼きたてのクロワッサンや数々のパンの芳醇な香りには、ご飯等の方々の心をくすぐるものがあるのではないでしょうか。
旅館では、やはり炊きたてご飯に手間をかけて出汁を取った味噌汁、焼き魚、玉子焼き、等々の王道は魅力です。
他には、奈良ホテルなどの伝統あるホテルでの茶粥などもまた良しですね。

東京のホテルには、宿泊する機会は少ないのですが、朝食だけを食べに行く事があります。
パークハイアット東京のフレンチトーストなどは、前日までに予約を入れておけば用意してもらえます。
横浜・元町のモトヤパンケーキなどは、テラス席にペットを連れて来れたりしておしゃれな方々が集まるので、朝食を摂っていると海外にいる雰囲気を楽しめます。

僕のお薦めは、やはりオーベルジュの朝食です。
箱根のオーベルジュ・オーミラドーでは、部屋に朝食を運んでくれるスタイルですが、全室テラスがあるので天気が良ければ爽やかな風と共に美味しい朝食を頂けます。
勝又シェフの拘りは自然の食材にあらわれていて、焼きたてのパン類、何種類もの季節オリジナルのコンフィチュール(ジャム)、自畑で採れた野菜のサラダ。果物などは、枝付きで出てきたりします。スクランブルエッグには、地元で獲れた鱒の卵が乗っています。
丁寧に淹れた紅茶を愉しみながらの朝食は、会話も弾みます。たまにはTVを見ない生活もいいものです。
オーベルジュは、食事をメインの目的とした宿泊施設で、オーナーシェフの個性を時間を気にせずゆったりと味わうという場所です。
オーミラドーには、冬でも温水プールや露天風呂もあって、部屋からバスローブで行き来したりも出来ます。

今まで旅して、印象に残った朝食のシーンでは、野生のペンギンを見ながら食べる朝食ツアーが一番でしょうか。
オーストラリア南端のフィリップ島は、世界最小のフェアリー・ペンギンが生息する島。毎日夕暮れになると、ペンギンが列をなしてビーチに上がり砂丘の巣に帰る、その愛らしいペンギンパレードを見ることが出来る島として人気です。そのフィリップ島の自然保護区で、夜明け前に海に出かけて行くペンギンを見守りながら朝食を楽しむのです。
「ペンギンと朝食を(Breakfast with the Penguins)」と名づけられたこのツアー、日の出12時間前にエサを求めて海へと向かうペンギンを見学するもので、パーク・レンジャーの解説を聞きながらペンギンの生態を観察します。そして日が昇る頃、自然に囲まれての朝食となります。動物と自然の感動的な光景とともにとる朝食は格別です。




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2008年3月21日 (金)

トマト料理の極み!

皆さんにとっての最後の晩餐は何ですか?何て、良くある話ではありますが、私にとっての最後の晩餐に選ぶ一品は「栃木産フルーツトマトの冷製スープ」です。

Photo

トマトのスープ?というなかれ。

もうこれは、トマト料理を究めた極上のスープなんです。

大地の恵みであるトマトの力を最大限に活かし、旨味、風味、五味全てのバランスと滋味の奥深さはシェフの感性の賜物。

このスープが食べられる(正しくはスープは飲むのではなく食べると表現します)のは、東京タワーの麓に佇む18席の小さなフランス料理店「シェ・ウラノ」です。

この奇跡のトマトスープ、時期は5月くらいまでなのですが、今が最旬です。シェ・ウラノを代表する名作なんです。「トマトが美味しいんですよ」とシェフは言いますが、同じトマトで同じレシピで作っても絶対に同じ味にならない悶絶の味。最小限の仕事=余計な仕事をしないという仕事。ギリギリの見極めの味加減が技の極み。初めて食べた時は、脳天をガツン!とやられた衝撃でした。トマトの旨味、ジュース、食感に加え、バジルのジュレが浮かんだ小宇宙が織り成す食の世界は、恍惚の美食の極地です。僕を信じて食べて欲しい逸品です。ロブション氏のガスパチョを越えるのは、これしかありません!

このレストランは、初めて訪れて依頼、月に1度1年間通ってみて“一生通うレストラン”としてお付き合いが始まった店なのです。

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いや~昨日も旨かったのなんの。今シーズンは何度食べれるかな?

嗚呼、またすぐ食べたい!

【シェ・ウラノ】
東京都港区虎ノ門3-22-10
東武ハイライン芝虎ノ門104
TEL:03-3433-1433

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2008年3月20日 (木)

春のにがみ

『春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え』
これは、養生医学者・石塚左玄氏の言葉です。

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季節ごとの旬の自然のものを食べていれば体には一番良いことを言っているのです。
体もそれをよく知っています。春の苦味は冬に多めに摂取した塩分や動かないでたまった脂肪分を排泄してくれます。
夏は酢の物は暑い夏を乗りきる避暑食であり、秋の辛味は夏の間に消耗した体力を補うための食欲増進をしてくれる。
冬は寒さ予防に脂肪分を取って抵抗力を養うわけでなのです。

ふきのとう、土筆、タラの芽、山うど、ゼンマイ、蕗、ワラビ、筍・・・
春の山菜は苦味のあるものが多い。
春野菜にはポリフェノールやビタミンCが多く含まれているので美容にもとても良いのです。
冬に新陳代謝の悪くなった体内から毒素を出すために、春の野山で採れる野菜は苦味があります。

これを嫌がるのが子供たち。
これは、苦いものに対して警戒心という防衛本能がそうさせているとか。
苦い、酸っぱいというのは毒や食物が腐った場合にも感じられる味だからです。
小さいとき、ふきのとうを美味しそうに食べている親を見て、
『どこが美味しいんだろう・・・』と不思議に思ったものでした。

苦いものを幼い時に経験している事は、将来の味覚を考えるととても大切な経験になります。
苦味や酸味は、料理全体のアクセントとして味の奥行きを深くしてくれる役割があり、感覚を鋭敏にしてくれ、味わいを広げてくれるのです。

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2008年3月19日 (水)

我が家の教え

Photo 我が家には食に関して代々伝えられる言葉がある。

「美味しい料理は、美しい料理。

食材は五色で組むのが理想・・・白、赤、黄、緑、黒。

料理は五法で・・・生食、焼く、煮る、和える、炊く、蒸す。

料理は五色で組むと美しい・・・日本の料理は目でも食べる。

料理をうまくするのは、心。

箸と日本人の食作法、箸との付き合いは揺りかごから墓場まで。

食材への愛情と生産者への感謝を忘れてはならない。

食べる事は、楽しく幸せな時間であるべき。」

味わうという事は、五感で感じる事でもあります。
食材に四季を感じたり、作り手のメッセージを感じたり・・・

大袈裟なものではないけれども、祖父母から親へ、親から自分へ言い聞かされて来た教えを改めて文字にしてみてシミジミと感じる温かさがあります。
大切に後世に伝えて行こうと思っています。

僕の代から料理が六法になります・・・「揚げる」が追加されます。
天ぷら、とんかつ、エビフライ・・・外せません(笑)。

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「五色、五法」改め「五色、六法」の教えです。

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2008年3月18日 (火)

食とアンチエイジングの関係

友人に美容師さんが多い。それはもうたくさんの雑誌の表紙やCMなどを手掛けているプロ中のプロフェッショナルたち・・・そんな関係もあって、六本木や裏原宿にあるヘアーサロンなどに通っている。

先日、ふとした会話で「フジーニさん、髪の毛がどんどん健康になって来ていますね。何だか密度が濃くなっていますよ。」とか言われた。その友人は、もう何年も僕の髪の毛を見てきていて、密かにその変化に驚いていたという。

生活はというと、不規則&寝不足でとても健康に良いとは言い難い。

今から5年程前には、そういえば悲しい出来事やストレス、マイナス思考などが重なり「老けた」と誰彼なく言われた状態であった。抜け毛もひどく、雨が降ると頭皮にヒンヤリと雨粒を感じるほど。肌は乾燥して皺も増え、目にも力がなかったのではなかろうか・・・?

そう、人間は投げやりや日々の生活の不満や不安、気持ちの低下などによって身体はどんどんと加速度的に老化へ向かう。加えて、食への感心の低下こそが主たる老化の原因とも言われている。

食べることこそが人生の最大の楽しみだという自分が、食べることにすら情熱を失っていた時期に符合して老化を加速させていたなんて・・・

そんな折に、フードアナリストという資格が誕生したニュースに触れた。ヨーロッパ生活で食べ歩きを趣味としていた自分に懐かしさを覚え、チャンレンジ。元来持っていた食への感心が手伝って、そりゃもう寝る間を惜しんでの猛勉強をしました。

食べること=生きること。という、原点に思いをもどすことが出来て、改めて体調が思わしくない部分への不足を補う食生活を心がけてみた・・・その結果、髪の毛が元の状態をも越えて、「抜け毛は減り、量が増え、1本ずつが太くなり完全に再生した」という訳です。40歳を越えても問題なく再生するのです。

長い時間をかけてですから自分ではあまり気付いていませんでしたが、肌や気力を含めて今では年齢より必ず若く見られるようになりました。特に地方に行くと顕著です。

ただ食べるのではなく、正しく食べることの意味を食の専門家として継承して行こう!と感じた友人の一言。

人前に出る立場にあり、今ではファッションも楽しんでいる前向きな自分もアンチエイジングにプラスだと感じます。

友人たちは髪の毛の専門家だから、食い付く食い付く。食べ物や摂取しているサプリメント、シャンプーなどにも今後触れてみたいと思います・・・

悩んでいた友人たちにアドバイスしたら、彼らも完全に再生しましたので実証されました。

少しでも美しく爽やかに年齢を重ねて生きたいのは皆の本音ではないでしょうか。

諦めてはいけませんぞ。

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2008年3月17日 (月)

地球人として

Photo_3 スローフードという言葉が浸透して久しい。

最近ではあちらこちらと雑誌やメディアなどでも聞こえてくるキーワードである。

スローフード運動は、1986年、イタリアで食やワインを専門とするジャーナリストであるカルロ・ペトリーニと数人の同志たちによって始められました。
きっかけはマクドナルドのローマ1号店がオープンしたことに対する抗議運動だったのです。
スローフード運動は、つまるところイタリアの尊い食文化がアメリカ化(ファーストフード化)されることに対する危機感から始まったのです。それが、今では世界的な運動に発展し、ピエモンテのブラという街には美食学を専門とする世界で唯一の大学が創設された程です。

自分の体を構成する細胞組織の栄養摂取を考えるにつけ、自然との共存や人や環境に優しいことへの拘りと感謝の気持ちを持つことの大切さを、こうした運動が提唱してくれています。

ロハス、エコなどの考えも然り。

京都議定書でCo2削減問題が取り上げられた当初は、社会全体が環境問題に真剣に向き合ったかに思われましたが、今はどうでしょう?喉元過ぎれば・・・ではないですが、社会全体の意識が薄れている感は否めないですね。

アジア諸国からお金で消費材を輸入して割り箸や紙の原料などを浪費している現状を、各個人が考え直す必要がありそうです。地球温暖化問題は切実な状況です。
だから、私はチーム・マイナス6%の一員です。
【チーム・マイナス6%】http://www.team-6.jp/about/team6/index.html

僕自身は、My箸を持つことにしました。そして、本屋さんでのブックカバーを断ることに。人前で読んでる本が分るのが嫌なら表紙を裏返してつければいいし、今まで頂いたカバーを再利用も出来ます。買い物用のエコバッグも持ってスーパーへ行きます。

ヨーロッパに住んでいる時にポケットティシュを持つ人などほとんど見たことがありませんでした。鼻をかむ場合だってちゃんと自分のハンカチを取り出します。ティシュを使えば汚くないし、すぐに捨てられるから便利じゃないの?と聞いたことがありますが、環境に悪いと一刀両断。ハンカチは洗濯すればいいだけ!と強く言われました。
そういえば、車もヨーロッパはディーゼルが主流。オートマよりもマニュアル車が未だに多い。それは、環境に優しく燃費がいいからという理由が一番大きくて、人間が少し面倒な部分を補えば、経済的にも地球環境にも優しく出来るという考えがしっかり根付いているのです。ガソリン車だとリセールスバリューがかなり下がります。
現在のディーゼルエンジンの性能は素晴らしいもので、低公害で高出力を実現しています。

結局は、地球に住む同じ地球人としてどう共有する環境を守るかという意識の部分が大切なのだと思います。

ファーストフードという呼び方は、便利と引き換えに「大切な本質」を犠牲にお金を消費すると考えると虚しいモノに思えます。気持ちにゆとりを持てない現代人の影ともいえるかもしれませんね。

もちろん、全てを否定など出来ません。
出来ることから始めればいいし、少しでも意識することが大切だと思います。

便利に慣れすぎてしまってることが、人類の進化を妨げているという部分であるのも皮肉な話です。 

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2008年3月16日 (日)

しゅん君

E30ad4aa_640 僕にはもうすぐ小学生になる、小さな親友がいる。

しゅん君だ。小生意気なガキである。

先日、わが家に遊びに来たのだが、僕は居なかった。
玄関に入って第一声が「この家、おもちゃあるぅ?」(笑)
加えて、「この家こんなに小さかったっけ?だって」傷つくなぁ、君が大きくなったんだろうが。

幼稚園の先生とも闘っているという。あまりにも弁が立つ小僧は、飾りのない言葉で適当な受け答えを論破。先生が逆切れして、睨んだりプイってしても怯まない。翌日に「先生、なんで昨日僕をにらんだりしたの」って抗議!
もう4日間も根に持っている。

広告チラシの裏に書かれた手紙がよく届く。話題は宇宙関連と市長選とか(爆)。何でも、住んでいる熱海の市長の孫が同じクラスらしい。NASAが大好きで宇宙ロケット関連の新聞記事をファイルして持ち歩いてもいる。

夜、家に帰ったら、置手紙があった。
「NASAにかえります。おこずかい500円でいいよ」
腹を抱えて笑いました。

でも、棚から僕の「白熊のピース」の未開封DVDを見つけて「これちょうだい!」と、お持ち帰りになったそう。
まだ観てなくて楽しみにしてたのに・・・

しゅん君のママはいつも謝っています。

【しゅん君語録】 
・ニュースを見るのが好きらしく、時事ネタをふられ、ちゃんと答えられないと「新聞読んだ方がいいよ。大人なんだからさ」
・我が家のHAWAIIANウォーターが気に入ったらしく、自分で水のレバーを押しては飲んでいた。帰り際に「ママさいふ!って。お水のおかねいくら?」だって。

そんな愛すべきクソガキは、成長につれ病が進行する未だ治療方法も見つかっていない難病を抱えています。成人になる頃には、歩く事も困難になってしまうと医師からは言われています。
でも、親はもちろん、僕たちも絶対に諦めません。
医学の進歩と奇蹟を信じて、彼の未来を見つめます。

僕は、本当にあらゆる努力を出来ているだろうか。
持ち得る全力で事にあたれているだろうか。
胸を張って未来に向かっているといえるだろうか。
本気で諦めないで、しゅん君のために何か出来るだろうか。

いや、諦めてはいけない。絶対に諦めない!

小さな命のために頑張れる事をする覚悟だ。

しゅん君が大人になる頃、どのような世の中なのだろう?と、思う。

僕は僕らしく、どんな困難にも背を向けず、前向きに進むしかない。
みんな、頑張って生きているのだから。

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2008年3月14日 (金)

FOODEX JAPAN 2008

Foodex2008_1 13日の国際ホテルレストランショー(東京ビッグサイト)と14日のFOODEX JAPAN 2008(幕張メッセ)で特別講演をさせて頂きました。

フードアナリストという資格がまだ全国的に認知されていない状況下での出演依頼でありましたから、このチャンスにしっかりと知って頂きたいという意味もあってステージに立ちました。

食に携わる関係者の皆さんへのメッセージは、仕事の依頼という形で返って来ました。

本当にプロフェッショナルの商談の場。

講演を終えて、マスコミの取材や講演依頼、商品開発の相談から資格への興味などたくさんの声を頂きました。

会場でもテレビ取材を受けるなど、反響の大きさに驚きと喜びを感じます。

「with Thanks & Respects」という理念をご理解頂けた企業からは、社員研修などのご相談も頂きました。

某日本最大の大手食品メーカーさんは、幹部になるとフードアナリストの資格を取得するという企業も出てきています。

そして一番反響を呼んでいるのが、@nifty厳選レストランサイトの話題です。講演の中でも紹介しましたが、4月14日にOPENする食の総合サイトの誕生です。

今までの食のサイトとの最大の違いは、食・食空間を評価・分析・格付け出来る専門家であるフードアナリストが全面的にコアな情報提供をするという点です。食べて側のプロであり消費者の代表でもある立場から、有益な情報を客観的な評価でレストランを紹介して行きます。

もちろんあらゆる食に関わる話題や情報も掲載されますので期待して頂きたいと思います。

FOODEXでの食のトレンドをテレビ収録で紹介しました。

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2008年3月10日 (月)

星に願いを

美しく咲き誇る桜の季節は、寒かった冬からの開放と夢と希望のスタートのイメージでしょうか。

僕にとっての桜は、美しくもあり、“切なく儚い命の証”のような存在です。

1年で僅かの期間を美しく染め上げるその花の色は、その短命が故の輝きなのでしょうか・・・

その昔、僕が出逢った少年のような目の輝きを持った青年は、心優しい天然ボケの小柄な男でした。その童顔な風貌から親しみをもって「大ちゃん」と呼ばれていました。

僕が手がけたあるイベントで知り合い、意気投合して親交を深め気付いたら親友ともいえる関係になっていました。

何でもバイクでレースをするレーサーとは聞かされていましたが、「そうなんだ」程度の認識でした。
知り合って暫くして、本屋でふと目に入った本の表紙に彼が出ていて、ビックリした時の事は今でも鮮明に覚えています。世界選手権にスポット参戦して優勝!あまりにも力の抜けた天然キャラの童顔君があの競争の激しいレースの世界で活躍する姿すら想像もつきませんでした。

そこから、一度レースを観に行こうと思い立ちます。
が、そこから開発に失敗したメーカーのマシンに翻弄され、結果が残せず。挙句に転倒による大怪我で選手生命まで危ぶまれる危機もありました。

幾多の苦難を乗り越え、僕は傍らで応援を始めました。
彼のために公式Web Siteを立ち上げたのです。当時はまだ誰も持っていなかった時代です。試行錯誤の日々でした。

その後2年の歳月をかけて、復活を遂げて、やっとの思いで世界へ羽ばたく日が。
「一緒に世界で戦って欲しい」という彼の言葉で、退職を決意。日本人で始めてのレーシングライダーのパーソナルマネージャーになりました。

拠点はイタリア、そして、世界全大陸を渡り歩きながらレースを転戦して周る生活になったのです。世界での才能を開花させ、世界選手権参戦2年目で年間16戦中11勝という新記録での世界チャンピオン獲得という快挙を成し遂げました。2001年の事です。
忘れもしないマレーシアグランプリのゴールを優勝で飾った瞬間に世界チャンピオンも確定したのですが、マシンをピットウォールに寄せて来て手を出す僕に、マシンをコントロールしながらタッチして来た彼との「バチン!」という痺れるような感触は今でも忘れる事のない思い出で、心の宝物です。

いつも世界選手権の日本グランプリは桜の咲く頃の開催でした。
美しく咲く桜の華やかさに包まれた鈴鹿サーキットで、日の丸の揺れるスタンドから大勢の歓声を力に戦って来ました。

そう、あの日までは・・・

2003年、春。
僕は、本当の家族・・・いやそれ以上に想っていた男と突然の別れを告げなくてはならなくなりました。
満開に咲く美しい桜が一瞬に乱れ散る瞬間を凍らせた様な重く切ない記憶・・・

レース中のアクシデントでした。

泣きました。
もう永遠に枯れる事はないと思えるほどの涙が溢れて、泣きました。

1年以上もの長い間、何も出来ず只々下を向いて生きる屍の様でした。

気長に、忍耐強く支えてくれたのは家族でした。
どんなに自暴自棄になっていても、彼女は自らを犠牲にしてまで僕を支えてくれ続けました。

時々、空を見上げては星を探します。
そして、語りかけます。

何年経っても君との時間が褪せる事はありません。心の中ではいつも一緒です。
「どんな事でも信じた道は真っ直ぐ歩こう!絶対に諦めない!」
今でもこの言葉を大切にいています。

宙に輝く星に想います。

「今、僕は君の期待に応えられるほど頑張れているだろうか?」

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2008年3月 3日 (月)

アフタヌーンティー

Photo_2 最近、アフタヌーンティーを頂く機会が多い。昼食を食べ損ねて夕飯も遅くなりそうだというシチュエーションが多いせいかもしれない。

アフタヌーンティーは、英国の数あるティースタイルの中でも最も有名なものです。最近は、日本でもホテルのコーヒーハウスなどでいただけ、日常的なものになりつつあります。

アフタヌーンティーを取る習慣が始まったのは、19世紀後半のことです。アフタヌーンティーは、ベッドフォードの公爵夫人アンナから始まったと言われています。当時夜9時ごろでないといただけなかった夕食までの間、 空腹を満たそうとメイドさんにお茶とバター付きパン、そしてケーキをトレーにのせて運ばせたのが始まりといわれています。その後、彼女はこれを毎日の習慣とし、しばらくは家庭内で一人でお茶の時間として過ごしていました。その後友人を少しずつ招待するようになり、優雅な食器を披露し、歓談しながら飲むようになると、その様子は瞬く間に貴族のあいだに広がっていきました。それは単にお茶やお菓子をいただく時間だけでなく、彼女達の社交の場として定着するようになりました。

しかしながら、アフタヌーンティーが流行していった背景には、いろんな興味深い要因があります。その中で最も重要な点は、どんどん膨らんで行くイギリス産業の発達に伴い、1840年代になると、人々がオフィスに通って働くようになり、今までとは違う生活パターンが生まれたことです。
 食事の時間帯は、以前は朝食の時間帯が朝9時から10時で、トーストとコーヒー、紅茶、又はチョコレートドリンクの軽い朝食だったのが、朝食の時間帯が早くなり、食事内容も充実したお腹に貯まるものになりました。その内容は、温かい、簡単に調理された肉や魚料理、ハムやベーコン、卵料理、肉のパテ、マフィンやトースト、そしてコーヒー又は紅茶の飲み物で、夏には果物も加わりました。昼食は午後1時頃で、朝食の残りで作ったサンドウィッチ、またはスープとパンのように軽い物でした。夕食の時間帯も移動して、それまでは5、6時に取っていたのが、8、9時になり、客を招いた時には10時になることもありました。

このように食事の時間帯が、比較的早い昼食と遅い夕食になってしまったので、昼食と夕食の間の空腹を埋めるものとして、アフタヌーンティーが誕生したのです。

当時はスタイルも時間も厳しい約束事はなく、始まりはだいたい4時ごろだったそうです。
それがヴィクトリア時代後期になると3時半くらいからになり、レースや柔らかな布でできたティーガウンと呼ばれるお茶会用のドレスが流行しました。また陶磁器もこのアフタヌーンティーのためのものがたくさん焼かれ、華麗なスタイルと世界を繰り広げていきました。このお茶会はヴィクトリア時代にはさまざまなマナーやエチケットもそれに合わせて生まれ、最盛期を迎えました。

アフタヌーンティーのスタイルは、上記の様にヴィクトリア時代からの伝統的なスタイルと、現在の英国で多く行われているカジュアルなスタイルとがあります。

どちらが良くてどちらが良くないというものではありません。

日本には茶道にのっとった茶事がありますが、英国のクラッシックなアフタヌーンティーのスタイルは、まさにその茶事に似た所があります。単にテーブルを華やかにセッティングするだけでなく、そこに何か物語があるかのように作る事が大切にされています。上流階級の人達の間では、このアフタヌーンティーの茶会で、どれだけセンスと歴史のある磁器や銀器をきちんと手入れして出せるか、またどれだけの料理やお菓子が用意でき、きちんとサービスできるか、インテリアがどれだけ手入れされ、洗練されたものなのか、などなど、多くのこだわりをもってアフタヌーンティーを迎えます。主催する女主人が主役で、いかに美しく華やかであるか、会話もたけ、話題が豊富か、など、女主人のセンスが求められます。

ここまでくると窮屈な感じがしますが、「A nice cup of tea」といわれるように、この一杯のお茶のには、英国人ならではの精神性と美意識が込められているようにも思えます。

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