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2008年3月10日 (月)

星に願いを

美しく咲き誇る桜の季節は、寒かった冬からの開放と夢と希望のスタートのイメージでしょうか。

僕にとっての桜は、美しくもあり、“切なく儚い命の証”のような存在です。

1年で僅かの期間を美しく染め上げるその花の色は、その短命が故の輝きなのでしょうか・・・

その昔、僕が出逢った少年のような目の輝きを持った青年は、心優しい天然ボケの小柄な男でした。その童顔な風貌から親しみをもって「大ちゃん」と呼ばれていました。

僕が手がけたあるイベントで知り合い、意気投合して親交を深め気付いたら親友ともいえる関係になっていました。

何でもバイクでレースをするレーサーとは聞かされていましたが、「そうなんだ」程度の認識でした。
知り合って暫くして、本屋でふと目に入った本の表紙に彼が出ていて、ビックリした時の事は今でも鮮明に覚えています。世界選手権にスポット参戦して優勝!あまりにも力の抜けた天然キャラの童顔君があの競争の激しいレースの世界で活躍する姿すら想像もつきませんでした。

そこから、一度レースを観に行こうと思い立ちます。
が、そこから開発に失敗したメーカーのマシンに翻弄され、結果が残せず。挙句に転倒による大怪我で選手生命まで危ぶまれる危機もありました。

幾多の苦難を乗り越え、僕は傍らで応援を始めました。
彼のために公式Web Siteを立ち上げたのです。当時はまだ誰も持っていなかった時代です。試行錯誤の日々でした。

その後2年の歳月をかけて、復活を遂げて、やっとの思いで世界へ羽ばたく日が。
「一緒に世界で戦って欲しい」という彼の言葉で、退職を決意。日本人で始めてのレーシングライダーのパーソナルマネージャーになりました。

拠点はイタリア、そして、世界全大陸を渡り歩きながらレースを転戦して周る生活になったのです。世界での才能を開花させ、世界選手権参戦2年目で年間16戦中11勝という新記録での世界チャンピオン獲得という快挙を成し遂げました。2001年の事です。
忘れもしないマレーシアグランプリのゴールを優勝で飾った瞬間に世界チャンピオンも確定したのですが、マシンをピットウォールに寄せて来て手を出す僕に、マシンをコントロールしながらタッチして来た彼との「バチン!」という痺れるような感触は今でも忘れる事のない思い出で、心の宝物です。

いつも世界選手権の日本グランプリは桜の咲く頃の開催でした。
美しく咲く桜の華やかさに包まれた鈴鹿サーキットで、日の丸の揺れるスタンドから大勢の歓声を力に戦って来ました。

そう、あの日までは・・・

2003年、春。
僕は、本当の家族・・・いやそれ以上に想っていた男と突然の別れを告げなくてはならなくなりました。
満開に咲く美しい桜が一瞬に乱れ散る瞬間を凍らせた様な重く切ない記憶・・・

レース中のアクシデントでした。

泣きました。
もう永遠に枯れる事はないと思えるほどの涙が溢れて、泣きました。

1年以上もの長い間、何も出来ず只々下を向いて生きる屍の様でした。

気長に、忍耐強く支えてくれたのは家族でした。
どんなに自暴自棄になっていても、彼女は自らを犠牲にしてまで僕を支えてくれ続けました。

時々、空を見上げては星を探します。
そして、語りかけます。

何年経っても君との時間が褪せる事はありません。心の中ではいつも一緒です。
「どんな事でも信じた道は真っ直ぐ歩こう!絶対に諦めない!」
今でもこの言葉を大切にいています。

宙に輝く星に想います。

「今、僕は君の期待に応えられるほど頑張れているだろうか?」

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