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2009年5月

2009年5月15日 (金)

オランダの食材を味わい楽しむ

1609年、江戸幕府の初代将軍・徳川家康がオランダに朱印状を交付し、通商関係を開始してから今年で400周年。

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オランダは、ヨーロッパ生活をしている時に中心的に経由していた馴染みの国。毎年のように訪ね、日本との友好国であることを人や文化を通じて実感していました。

国土の4分の1が海抜0m以下にあるオランダは、高い水工技術を持っているとか、ミッフィーで有名な絵本作家のディック・ブルーナやゴッホ、フェルメール、そしてチューリップや水車、チーズなどのイメージが強いのですが、食材についても実は素晴らしいものがたくさんあるのです。

オランダ王国大使館より、縁あって日蘭友好関係を繋ぐ食事会「ホワイトアスパラガス試食昼食会」にご招待頂きました。

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オランダでホワイトアスパラガスが生産されるシーズンは短く、集中的な労働力が要求されるため、ホワイトアスパラガスは特別な食材として珍重されています。この野菜が“Queen of vegetables”、“White gold”、“Points d'amour”、“Pearls of the land”などと呼ばれる所以です。

その他、ホワイトアスパラガス以外にもオランダを代表する生鮮な食材などを使った料理を堪能させて頂けました。オランダ大使公邸のフランス人シェフ、ステファン・フォレ氏の食材の個性と旨味を引き出す仕事振りは繊細かつ華麗で素晴らしいものです。

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メニューは、前菜に「ホワイトアスパラガス・白人参・ゴーダチーズのムース」。コリアンダーのスプラウト・トマト2種・アスパラソバージュ・キュウリ・いんげんなどの野菜が全てマイクロベジタブルで彩られています。小さくても野菜の香り味の濃さは特筆もの。ハモンイベリコとオマール海老と渾然一体とした調和を36ヶ月もの熟成を重ねたゴーダチーズがまとめている逸品でした。

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「雑穀米に包まれたホワイトアスパラガスの海苔巻き寿司」と、「アスパラガスのブイヨンで作られたコンソメスープ」と、「食べられる蘭の花」。爽やかなホワイトアスパラガスの甘味と雑穀米が口の中で混ざり合う変化が、新しい味の発見。スープを口に含むと、何とも滋味深き幸福であります。スープに浮いているのはサリコーンという植物。地球上で唯一、塩を吸収して育つものだそうで、海水中に溶けている塩及び、カルシウム・マグネシウム・カリウム・鉄などのミネラルを吸収して育つらしく、特にミネラルの宝庫で、他のどんな食品よりも多くのミネラルが含まれていて、カルシウムは牛乳の約7倍、鉄は昆布の約40倍、カリウムは牡蠣の約3倍も多いのだとか。

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「極太グリーンアスパラガスのフリット 甘鯛のソテー 緑の野菜と赤カブのソース」。4Lはあろうかというアスパラガスが見事です。しっとり&ふんわり火の通った甘鯛と歯切れの良いシャッキリとしたアスパラガスの食感の妙が楽しめる一皿。相性の良い組み合わせです。何と言っても、驚きのアクセントは、上にそっと添えられた一枚の葉っぱ。口に含むと火の通った牡蠣の味がするのです。「えっ?」という戸惑いと驚きこそが、シェフの思惑通り・・・。聞くと「オイスターリーフ」という名だそう。オランダにしかない食材で、今後は日本でもお目見えするといいます。

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「極太アスパラガスのソテー フランス産ピジョンのロースト」。ローストされた鳩の下には、トピナンブール のソテーが敷かれています。トピナンブールとはキク芋のこと。善玉菌の栄養素となるイヌリン(食物繊維)を多く含む食材として今注目されています。ソテーしたことでホクホク感とシャッキリとした食感を上手に出しています。鳩の旨味をソースに凝縮し、フレッシュなアスパラガスの甘味あるジュースとの相性も抜群です。大きくても歯切れの良い最上のアスパラガスの醍醐味を感じます。鳩は、あっという間に火が通り、調理が難しい食材ですが、肉への火入れも完璧でシェフの匠の技を体感させて頂きました。

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「ブラックベリーのムース(上) ルバーブのコンフィチュール(中) ショートブレッド(下)」。下のホワイトソースは、シェーブルタイプのゴーダチーズとホワイトチョコのソースです。 最後のデセールに至るまで素晴らしい仕事振りのシェフであります。酸味、甘味、苦味、旨味に加えてチーズの塩味が見事なまでにハーモニーを生み出しています。それにしても羊の乳から作り出すゴーダチーズのコクと香りの芳醇はクセになること請け合い。まさに五感を刺激するシェフの感性に敬服です。

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緑に囲まれ、閑静な大使館内公邸でのランチに広がったオランダ食材の世界が、こんなにも新鮮で驚きに満ちた新しい発見の場になるとは想像以上の収穫でした。

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食後の歓談では、大使をはじめスタッフの皆さんと日蘭親交の会話が弾み、オランダに対する興味がさらに深まりました。

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せっかく頂いたご縁を大切にし、今後も日本とオランダの食・食文化の親善的な架け橋になり両国の食文化の発展に貢献出来ればと思っています。

ホスピタリティー溢れる、素晴らしい一時を過ごすことが出来ました。オランダ王国大使館の皆さま、本当にありがとうございました。

またオランダに行って見たくなりました。

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