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2010年8月14日 (土)

日本の原風景のある、食材の理想郷“山形”に学ぶ②

アルケッチャーノの奥田シェフ発案の元、山形県から発信する日本を元気にしたいという創造事業が立ち上げられた。

「食」ツーリズムやまがた創造事業と銘打ったこの取り組みは、行政、学者、生産者や料理人、そして食に携わるあらゆる人々が交流を深め、地元の活性化や在来種の保護など、未来に食文化という財産を残すことを目的とし、その素晴らしい山形の環境から作られる自然の恵みを広く全国に、世界に知ってもらおうという初の取り組みでもある。

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世界的な不況という状況で、食材を買う際の消費者の選択基準に価格が重要視されるようになった。確かに価格が安いに越した事はないが、それが全てだろうか?本当の価値とは、安全・安心が伴ってこそ、である。ただ安さを追求してしまう先にあるのは、生産者の生活を追い込んでしまう結果を招き、大量の生産物を長期間腐らせる事ができないなどと言う二律背反な事象を引き起こしてしまう。これは、日本人女性が24年間ずっと世界一の寿命を誇るとメディアは報道するが、本質は伝えきれていない。確かに寿命は世界一でも、食生活の変化で高カロリーを摂取しながらの長寿には、先進医療の発達が大きく関わっている。自分の歯で噛んで、自分の健康な膝で元気に階段を昇り、笑顔で食事を楽しむ・・・といった健康寿命という観点からは離れているのが現実なのだ。「身土不二」、つまり自分が生まれた環境の食べ物を摂取することが、その人の身体に一番良いという教えを忘れ、フードマイレージの高い輸入食材を頼り、安全や安心を犠牲に価格の安さにのみ走った結果として損なわれるものは決して小さくない。私たちは、地球の健康を頂いていると言っても過言ではない。口にしたものが、栄養として身体を作る。細胞の生まれ変わりは、食べた物の健康、つまり安全性と密接に関わりあっている。

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 そうした正しい食材を作るには大変な手間隙がかかる。そうした努力に対して、消費者が正しく知識を持ち、「買い叩くのではなく、買い支える」という意識が大切なのではないか。安全・安心には全体の利益を考える生産者たちの努力に加え、それを評価し応援する料理人や専門家たちの応援、何より行政の深い理解と支援がないと実現しない。だからこそ、消費者側の理解も必要なのである。

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 食材を提供する作り手(生産者、流通、料理人、サービスマン等)と食べ手(一般消費者)を笑顔で結ぶ架け橋として、情報を分析して分かりやすく解説し正しい選択が出来るようにする役割を私の立場は担っている。食・食文化に携わる人々が社会的に信頼され地位の向上に向かわなくては日本の未来に陰を落とす結果となってしまう。ヨーロッパ生活で学んだ食文化のあり方は、各国の食料自給率に表れている。

 美食の先進国として名を馳せる日本という部分がクローズアップされて、世界中の食べ物が連日メディアでも紹介されていたりする。しかし、そうした派手な表面だけでなく、日常の食生活の大切さを足元から見つめ直し、先人の教えや伝えられる工夫や知恵を継承することを真剣に考える時期が来ていると強く感じている。

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未来を見据えた取り組みの視察が始まる。

つづく・・・

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