食文化

2009年5月15日 (金)

オランダの食材を味わい楽しむ

1609年、江戸幕府の初代将軍・徳川家康がオランダに朱印状を交付し、通商関係を開始してから今年で400周年。

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オランダは、ヨーロッパ生活をしている時に中心的に経由していた馴染みの国。毎年のように訪ね、日本との友好国であることを人や文化を通じて実感していました。

国土の4分の1が海抜0m以下にあるオランダは、高い水工技術を持っているとか、ミッフィーで有名な絵本作家のディック・ブルーナやゴッホ、フェルメール、そしてチューリップや水車、チーズなどのイメージが強いのですが、食材についても実は素晴らしいものがたくさんあるのです。

オランダ王国大使館より、縁あって日蘭友好関係を繋ぐ食事会「ホワイトアスパラガス試食昼食会」にご招待頂きました。

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オランダでホワイトアスパラガスが生産されるシーズンは短く、集中的な労働力が要求されるため、ホワイトアスパラガスは特別な食材として珍重されています。この野菜が“Queen of vegetables”、“White gold”、“Points d'amour”、“Pearls of the land”などと呼ばれる所以です。

その他、ホワイトアスパラガス以外にもオランダを代表する生鮮な食材などを使った料理を堪能させて頂けました。オランダ大使公邸のフランス人シェフ、ステファン・フォレ氏の食材の個性と旨味を引き出す仕事振りは繊細かつ華麗で素晴らしいものです。

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メニューは、前菜に「ホワイトアスパラガス・白人参・ゴーダチーズのムース」。コリアンダーのスプラウト・トマト2種・アスパラソバージュ・キュウリ・いんげんなどの野菜が全てマイクロベジタブルで彩られています。小さくても野菜の香り味の濃さは特筆もの。ハモンイベリコとオマール海老と渾然一体とした調和を36ヶ月もの熟成を重ねたゴーダチーズがまとめている逸品でした。

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「雑穀米に包まれたホワイトアスパラガスの海苔巻き寿司」と、「アスパラガスのブイヨンで作られたコンソメスープ」と、「食べられる蘭の花」。爽やかなホワイトアスパラガスの甘味と雑穀米が口の中で混ざり合う変化が、新しい味の発見。スープを口に含むと、何とも滋味深き幸福であります。スープに浮いているのはサリコーンという植物。地球上で唯一、塩を吸収して育つものだそうで、海水中に溶けている塩及び、カルシウム・マグネシウム・カリウム・鉄などのミネラルを吸収して育つらしく、特にミネラルの宝庫で、他のどんな食品よりも多くのミネラルが含まれていて、カルシウムは牛乳の約7倍、鉄は昆布の約40倍、カリウムは牡蠣の約3倍も多いのだとか。

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「極太グリーンアスパラガスのフリット 甘鯛のソテー 緑の野菜と赤カブのソース」。4Lはあろうかというアスパラガスが見事です。しっとり&ふんわり火の通った甘鯛と歯切れの良いシャッキリとしたアスパラガスの食感の妙が楽しめる一皿。相性の良い組み合わせです。何と言っても、驚きのアクセントは、上にそっと添えられた一枚の葉っぱ。口に含むと火の通った牡蠣の味がするのです。「えっ?」という戸惑いと驚きこそが、シェフの思惑通り・・・。聞くと「オイスターリーフ」という名だそう。オランダにしかない食材で、今後は日本でもお目見えするといいます。

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「極太アスパラガスのソテー フランス産ピジョンのロースト」。ローストされた鳩の下には、トピナンブール のソテーが敷かれています。トピナンブールとはキク芋のこと。善玉菌の栄養素となるイヌリン(食物繊維)を多く含む食材として今注目されています。ソテーしたことでホクホク感とシャッキリとした食感を上手に出しています。鳩の旨味をソースに凝縮し、フレッシュなアスパラガスの甘味あるジュースとの相性も抜群です。大きくても歯切れの良い最上のアスパラガスの醍醐味を感じます。鳩は、あっという間に火が通り、調理が難しい食材ですが、肉への火入れも完璧でシェフの匠の技を体感させて頂きました。

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「ブラックベリーのムース(上) ルバーブのコンフィチュール(中) ショートブレッド(下)」。下のホワイトソースは、シェーブルタイプのゴーダチーズとホワイトチョコのソースです。 最後のデセールに至るまで素晴らしい仕事振りのシェフであります。酸味、甘味、苦味、旨味に加えてチーズの塩味が見事なまでにハーモニーを生み出しています。それにしても羊の乳から作り出すゴーダチーズのコクと香りの芳醇はクセになること請け合い。まさに五感を刺激するシェフの感性に敬服です。

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緑に囲まれ、閑静な大使館内公邸でのランチに広がったオランダ食材の世界が、こんなにも新鮮で驚きに満ちた新しい発見の場になるとは想像以上の収穫でした。

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食後の歓談では、大使をはじめスタッフの皆さんと日蘭親交の会話が弾み、オランダに対する興味がさらに深まりました。

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せっかく頂いたご縁を大切にし、今後も日本とオランダの食・食文化の親善的な架け橋になり両国の食文化の発展に貢献出来ればと思っています。

ホスピタリティー溢れる、素晴らしい一時を過ごすことが出来ました。オランダ王国大使館の皆さま、本当にありがとうございました。

またオランダに行って見たくなりました。

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2009年1月31日 (土)

信州「蕎麦」の名店【くるまや】

信州の山奥に在る、知る人ぞ知る「くるまや」。安曇野山麓線から燕岳の登山口となる中房温泉へ向かう県道の右にある、有明山神社の参門横に手打ち蕎麦の隠れた名店は佇む。

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駐車場に入るには有明山神社の鳥居を車に乗ったまま潜る。初めて訪れた人は恐れ多くて戸惑ってしまうかもしれない。

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ガタンゴトンと清流に身を任せる水車をシンボルとする「くるまや」の店構えは、決して豪華ではない。遠めには、むしろ店というよりは普通の家のようでもある。知っていなければワザワザ寄って行こうとは思わないだろう。しかし、山奥で観光地ともいえない場所ながらいつも人が耐え間なくやって来ることからも、その存在が稀有な名蕎麦の技に裏付けられていることに気付く。

昨今、ブームのように蕎麦の粋を謳い、高価なものとして提供している“もどき”とは喉越し、香り、深み、吟味した地粉で丹精に打った技が違う。かの地は、水の質が格段に良いのだ。近隣に最上質を誇る山葵畑があることも「くるまや」の蕎麦を支えている。

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くるまやの蕎麦は安い!このご時勢で1コインでおつりが来る(ざる一枚493円)。心意気なのである。

私は、最初の1枚をそのままツユを浸けず、蕎麦の香りを楽しむ。こっそり持っていった藻塩を軽く振って食べたりもします。そして、おかわりの1枚でツユと共に楽しむ。

最高の山葵をツユに溶くなどという野暮はおよしなさい。蕎麦にそっと添えて、思いっきりズズズっ~と思い切り音を立てて手繰るのです。何故、音を立てるのか?

それは、思いっきり空気を含むことで香りを口の中で膨らませ鼻にその清香を抜くのです。

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蕎麦の他に、お薦めはモツ煮。別名「おたぐり」の名で呼ばれる馬のモツなのです。12メートルにもおよぶ馬の腸をたぐり寄せる様に洗うところからこう呼ばれます。これは旨い!香り深い葱と七味を添えて滋味を味わって欲しい逸品です。先ずは、蕎麦を味わってからモツ煮を楽しむのも一興。

日本アルプスを眺望し、川のせせらぎと木漏れ日の信濃路を探訪された際には、絶対に行くべき蕎麦の聖地。

住所:安曇野市穂高大字有明宮城7023
TEL:0263-83-2515
営業時間:11:00~19:00(但し蕎麦がなくなり次第閉店:LO18:30)
定休日:月曜日(祭日の場合翌日)
駐車場:30台
創業:昭和47年4月
場所:中房温泉に向かう県道右の有明山神社横
※JR大糸線有明駅より中房温泉方面へ車で15分(6キロ)

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2008年12月13日 (土)

K.u.K.でマイスターの真髄を味わう

日本人唯一のオーストリア国家検定料理マイスター(正式名称 Oesterreichsche Kuechenmeisterpruefung)である神田真吾シェフのオーストリア料理のレストランK.u.K.(カーウントカー)に行って来た。 店名は、皇帝と国王というドイツ語表記の頭文字となっているが、恩人でオーナーの栢沼氏と神田氏自身の頭文字でもある。

オーストリア国家検定料理マイスターという資格試験はドイツ語圏内で実施されており、実務経験が7年以上で、受験資格が一生に一度という難関中の超難関といわれている。試験科目が座学・実技含めて長期間、10科目以上というハードルの高さ。その資格に日本人唯一、西洋人以外で初めて合格したのが神田真吾シェフであり、その名は世界に知られる。

オーストリア料理は、ハプスブルク王朝以来の伝統と高い格式を誇り、今もなおその威光を放っている。

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マイスターのこだわる店内は、石やガラス、鏡を使った気品高くシックな雰囲気。天井のシャンデリアは、ハプスブルク王宮に見られるものと同じロブマイヤー社製だそう。 ウィーンのインペリアルホテルのワインセラーに眠っていたものを譲り受けたという1938年製オスベルガーの物という曰くつきの稀少ワインなども見受けられる。皿は「アウガルテン」グラスは「ロブマイヤー」、カトラリーはベルンドルフ(Berndorf)社のものと食器類もオーストリアにこだわる徹底ぶり。

今回の食事会は、仲間のS君のウィーンのインペリアルホテルで食べた「オマール海老のスープが忘れられない」という一言からはじまった。私自身は、このインペリアルホテルでのスペシャリテを体験した事はないが、ここの出身というシェフが継承したオマール海老のスープを食したことがある。とても印象的で、忘れ得ぬ味わい深さであった記憶から、マイスター神田の修業先であったオーストリアを代表する名スープを作ってもらえないかと相談した。この逸品は、オープン時に一度だけK.u.K.にて再現されたそうだ。マイスター神田は、基本的に一度作った料理を二度出さないというポリシーをお持ちでしたが、今回特別に作って下さるということなったのです。そして、オーストリア国家公認コンディトール(お菓子)マイスター栢沼のカイザーシュマーレンをも別注文してスペシャルな夜の食事となりました。

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オーストリア料理は、一般に経験が少ない料理だと思います。今回は、本当のオーストリア料理の魅力と味わいの深さを体験したく訪れたという訳です。

メニューは・・・

“バインシンケン ウント ロウアーシンケン”
梅山豚の熟成ハムと生ハム

“マリニエルテ エンテンブルスト”
オーストリア産のハチミツでマリネした鴨胸肉のロースト
レーブクーヘンシュニッテと鬼クルミのソース

“フンマーズッペ”
香り高いオマール海老のスープ
メランジュ仕立て 皇帝風

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“ドルシュブルステ ミット シャンパーニャクラウト”
真鱈のソーセージ エストラゴン風味
シャンパーニャクラウトとカルトフェルクヌーデル

“グラナータアプフェルソルベ”
石榴のソルベ

“ゲプラーテネ レーリュッケン”
鹿ロース肉のロースト ブルグンダーソース キルシュ風味
トピナンブールとカルトフェルのグルュステル

“アプフェルクヌーデル”
林檎のクヌーデル マンデルクロカント

“カイザーシュマーレン”
ツヴェッチケンルュスターを添えて

・・・という構成。

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豚肉の中でも幻といわれる梅山豚(めいしゃんとん)という融点の低い旨みの強い肉を熟成して作ったバインシンケン(骨付きモモ肉のハム)は、しっとりと艶かしさがあって、熟成香と旨みがぐぐっと膨らみます。マスタード、メープルシロップ、パセリ、ホースラディッシュなどから作られる特製のソース(甘みと辛みが同じぶんだけ主張)をつけることで、味の奥行きもグッと広がる旨さです。

甘味の中に様々なスパイスを上手に使うことで、食べる部分毎に味わいの変化が楽しめる料理へのメッセージは、マイスターが確かな技術と伝統の継承を守っていればこそ。歴史の奥深さとその完成された料理の技法やマイスターの感性が生み出すピンポイントの見極めを体験します。

今回の目玉ともいえる「オマール海老のスープ」では、思わずテーブルに着く世界中の美食を楽しむ仲間も唸りました。30尾ものオマール海老を使って醸し出される濃厚なエキスの皇帝風スープは黄金色に輝いて、一生心に残る至味との出逢いとなった。本場と同じくお代わりを提供されたが、そのオマールの身が2杯目にも出された点が、マイスター神田のこだわりだと感激。「しみじみ旨い」。これ以上のスープには、そうそうお目にかかれるものではないだろう。

鴨、鹿、真鱈などへの火の通し加減も絶妙で、その正確さは本当に敬服する仕事ぶり。テーブルを囲むうるさ方の笑顔を見れば満足度が判るというもの。付合せへの丁寧な仕事やソースの味やバランスともに、オーストリア料理を改めて素晴らしい料理なのだと素直に感じさせてくれた。

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最後のデザートでは、キュッヘンマイスター神田とコンディトールマイスター栢沼の皿から選べるという贅沢な演出でした。6名で楽しんだ美食の会の締めで、5名がマイスター神田を選択。私だけがマイスター栢沼の皿を選択。世界が認める2人の日本人マイスター「K&K」、つまりドイツ語表記で「K.u.K.」に敬意を表したかったのです。

フレンドリーながら品格のあるサービス、食空間ともに快適で居心地が良い。

都会のビルの谷間にひっそりと、しかし威風堂々と佇むオーストリア菓子&料理の殿堂に、日本人として誇りに思える時間を感じた食事会であった。

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2008年12月 9日 (火)

今注目のパティシエ マーク・グレイス

たまたま出張で出向いた兵庫の住宅地に新しいパティスリーが出来たというので、仕事の合間を縫って出かけてみた。

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さりげない住宅街佇む新しい空間は、一見お菓子を扱っている店だと思わない人もいるという。ショーケース越しに見えるマカロンで作られたクリスマスツリーのその仕事に只者ではない技術が見て取れる。

店内に入るとそこはパリを感じさせるセンスの良さ。細部にまでシェフ・パティシエのこだわりが行き届いた空間に仕上がっている。

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美味しい物は、見て判る。と、常日頃から言っていることを証明するかのように、見るからに美しく精度の高いお菓子が並んでいた。圧巻はマカロン。その種類、色、食材に個性とシェフの独立への自信がオーラを放つ。早速、店内で食べてみる。

マカロン、ケーキを数種類。程なくして、マーク氏が挨拶に来てくれた。東京から来た客の第1号の称号を頂く(笑)。

さて、その感想だが、フルーツや食材の香りの立ち方が秀でている。ちょっと他には経験のない程のレベルで素晴らしいのだ。酸味と苦味というバランスを崩せば、不味くさえなる要素を上手さへのアプローチで最上限まで引き立たせるその感性は、超一流の仕事である。

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世界中のパティスリーを食べ歩き、パティシエにもお目にかかったが、TOPレベルと言っていい才能だと思う。もちろん全てが完成されている訳ではないが、この先どれほどの素晴らしい仕事をしてくれるだろうかと思うと目が離せない。

日本への敬意を菓子の中に見つける事が出来る。マーク氏が使う材料に、抹茶や柚、シソ、うめ、小豆などがあるが、その使い方と味の出し方には経験のないほどの感銘を受けた。その世界観は、京都の和菓子の感性とさえ感じられる。

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ラデュレやピエール・エルメでの修業経験を持つが、決してそれらメゾンの真似ではないマーク・グレイスというシェフ・パティシエのオリジナルな味が「世界中でここにだけある」ことの価値は計り知れない。

久々に五感をフルに神経を尖らせてお菓子に向かいました。マーク氏が出してくれた様々なお薦めの菓子たち・・・10種類くらいは食べたでしょうか。酸味や苦味の他、洋菓子で淡味を感じられる世界は初めて。それぞれの個性を味わい、今後の活躍を見逃せない新星に乾杯!

彼の感性でなら、塩気の強いチーズ(ブルーチーズなど)と蜂蜜、リンゴとショウガ、きな粉、酢橘、桜、日本酒、トンカ豆なども食べて見たいものだ。ピエール・エルメ氏の感性による山葵は最上の味わいのマカロンであったことからも、既成概念や固定観念では測れない新作を望む。

マーク・グレイスの菓子とシャンパンを片手にクリスマスを迎えるなんて最高です。いかがでしょう?

■「GLAMOURDISE(グラモウディーズ)」
  兵庫県神戸市東灘区岡本1-4-22
  Tel:078-436-8818
  Open 11:00―Close 21:00 
  (無休)  

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2008年10月17日 (金)

「HAL YAMASHITA」 山下春幸シェフの世界

食・食文化の勉強を続けていて、原点に返ろうと旅をして来た。立ち寄った京都で、日本の伝統食文化の粋を椀物で知る。塩、一粒足されたら壊れてしまうのではないかとさえ思えるギリギリの細い線に描かれた透明の歴史図・・・。そんな究極の味に出会えたことこそが、旅の醍醐味。出来立てでしか味わえない、京上生菓子の最高峰との対峙には、伝統と言う重みに対しての尊敬の念を深めた。邪念無く只食べる事に無心で向かえた至福の時間であった。

縁あって人は出会うものだと思うが、その縁の深さを意識せざるを得ないかのように連続して、六本木ミッドタウン「HAL YAMASHITA東京」の山下春幸シェフとの対談や取材の機会が重なった。その中で、1対1で厨房とカウンターテーブルを挟んで食事をするという光栄を授かった。何度となく食べて来た山下シェフの料理の中にある「何か」を見つけたくて、席に座る。

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ハルさんの料理は、とても「ピュア」であると思う。しかし、ピュアなものを作ろうとして作っている訳ではない。選ぶ食材、調理方法、組み立て方、料理人の心、全てがピュアである結果として「ピュア」に仕上がるのだ。最初から全てのプロセスがクリアでないと、透明な水に墨汁が一滴でも落ちれば濁ってしまうのと同じに誤魔化しは利かない。

食べ手から考える料理には、体が欲して食べたくなるものと、興味や勉強のために構造を理解したいなど好奇心から向かうものがある。こうしたものをフランスでは「理解を探す」と、いうそうだが、世界でもNO.1とも評されるスペインの三ツ星レストラン「エル・ブジ」やフランスの「ピエール・ガニエール」の考え尽くされて高度なテクニックを駆使して作られる料理では、見た瞬間に反射的に面白く感じられることはあるが、すぐに喜びや満足感には結びつかない。そこに辿り着くまでに、どうしても時間的なズレが生じる。理解を探さざるを得ないというのは現代美術を鑑賞するにも似ている。

ハルさんの料理は、もっと素直に、もっと直截に、人の心に入っていけるものでありたい。そう感じる。人の心にストレートに通じるクリアなものであり、そして、体にいい料理でありたいと聞こえてくるようだ。それは、食材の選び方、保管の仕方からも見えてくる。

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カウンターのガラスケースの中に並んでいる食材の中には、一見水分がなくなってしまっているように見える魚などが見受けられる。一般に料理を提供する側は、見せる食材には外見を気にするために、定期的に水をかけたり、浸けたりとしたがるものだ。日本の調理レシピでは、食材の臭みを抜くという下仕事がよく用いられる。必要以上に洗ったり、時には牛乳につけたり・・・。フランスなどでは、食材の本来の味や香りを逃さないようにとっておくことが大事とされる。だから、魚もなるべく水につけないようにするし、帆立や牡蠣なども殻から出したら、一切水にはつけず、布巾で砂を取る程度にする。きのこ類も然り。適度の熟成は見た目を誤解させる場合がある。肉などの熟成では黒く変色してカビなどが被う場合も在るほどだ。食材のクセは個性なのである。だからこそ、その食材への信頼がとても大切で、ハルさんはその部分に大変な労力をかけている。全ての部位が安心で安全に食べられることにこそ生産者のプライドが垣間見える。だから食材のすべてが調理される。結果として、感謝が表せるのだとも考える。

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目の前で、山下シェフは調理を始める。全くのアドリブにて食材の組み立てを行なう。指示が飛び、時に閃きで変更される。料理をする時は何も考えていない。そう見えてしまうほど、流れがあって自然である。無の境地ともいえるのかもしれない。
身体が自然に動いて、自然に料理が生まれていく。全ては感覚的な世界である。そこには「魂胆」など何もない。ここで料理の味や解説などという野暮をいうつもりはない。ひたすらに愉しく刺激的で、至味の世界を堪能させてもらった。

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五感で感じて味わい、発見と驚きを体験して欲しい。レストランでは、リラックスして出された料理を楽しむことに尽きます。

万人が全て等しく美味しいという料理など存在しない。その人の知識・教養、歴史や背景、積み重ねた情報の解析能力などで感じ方は千差万別だからこそ、相性と言うものが大切なのだと思う。自分の感性に合う味を見つけたら大切に長い付き合いをお薦めする。双方が刺激し合い、お互いを高め、未来を見つめられる関係が築けるかもしれない。

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味に国境などない。ハルさんの料理が世界中の人の舌を満足させられるという確信を得て、いずれそのシーンを同じく共有してみたいという想いを強めた。

どこに向かっているのかを知るために、どこから来たかを忘れてはならない。
京都で出会った究極の伝統の味に触れ、ハルさんが作り出すその日本の伝統を“精神”で継承する新しい世界観を見つけられた。『こだわらず』『とらわれず』、【無我の境地】の中にこそ彼の料理哲学の究極の答えがあった。

料理道、道半ば。山下春幸という料理人から目が離せない。

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2008年9月10日 (水)

プレミアム企画「体験レストラン」 開催

@nifty厳選レストランのプレミアム企画が決定し、10月1日(水)の夜に開催されることになりました。

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我々フードアナリストと厳選レストランを評価頂いたイタリアの名門パスタブランド「DE CECCO(ディチェコ)」さんがタイアップしてくれる特別食事会です。

レストランは、現在の東京イタリアンシーンを牽引してくれた大御所である片岡護シェフの「アルポルト」です。

そして、このイベントのガイド役は、私を含めた3人のフードアナリストが食事の時間をエスコートします。

色んな分野から注目を集め、新しい世界を広げようとしているフードアナリストの可能性をも感じて頂けるイベントではないかと思います。

興味のある方はぜひご参加下さい。

詳細は http://restaurant.nifty.com/feature/dececco_event/ 

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2008年7月24日 (木)

第10回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー

東京ビッグサイトで23日に開幕した「第10回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」で講演させて頂いた。タイトルは【愛される「日本のシーフード料理」の存在と可能性】です。

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原油の高騰による漁業問題をはじめとして、多くの課題を抱えるシーフード業界での講演は、フードアナリストという役割の在り方を問われるチャレンジでもありました。

日本の魚料理の今まで積み重ねて来た伝統と、その精度の高さと海外での魚料理事情を比較しながら、今と未来への提言を盛り込んだ講演でした。

満席御礼でした。

「シーフードショー」開催の意義は、水産物の取引機会を拡大するというだけではなく、水産業界発展のための学習の場とも考えております。多数のバイヤーとの情報交換は、様々な川下の動き、気配を知る有益な機会です。同様にバイヤーの皆様にも水産物の魅力をご理解頂き、双方で学ぶ機会となっております。水産物を取り巻く環境は世界的な魚食ブームの中で様々に変化しておりますが、双方で学びあい、水産物の魅力を高める機会となるよう私共も取り組んで参ります。」と大会会長がおっしゃるとおり、多くの専門家がメモを取り、真剣に学ぶ姿勢に感銘を受けました。

頑張れニッポンの水産業者さんたち!

消費者も学ぶことによる知識での正しい判断が求められます。適正価格での消費もまた、国民の全体の利益を守ることになるのです。安ければ何でも良いではなく、追い詰められている漁業従事者への支援としての魚の価格についても応援出来る気持ちが大切だと考えます。

切実な声に、少しでも多くの消費者に正しい情報提供をしていく役割を感じます。

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会  期

2008年7月23日(水)~25日(金)
開催時間 10:00~17:00 ※25日のみ 10:00~16:00
会  場 東京国際展示場“ビッグサイト”東4・5ホール

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2008年7月 1日 (火)

伝統食を大切に!

お米の含まれるミネラルはバランスが良く、私たちに必須なものだとして、主食としての「米」の見直しが叫ばれています。

そこで見つけた新しい主食。

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おいしさへの架け橋「黒米と大豆」を併せるという新しい発想から生まれた「美人玄米」は、国内産 黒米&大豆入り「玄米ごはん」。白米と黒米の玄米に大豆の3種類をブレンドして作られたもの。この3種類の組み合わせは、美味しさと環境への優しさも兼ね備えた新しい主食として誕生。

玄米が、ヌカの部分を取り除いた精白米と比較して、栄養的に優れていることは誰もが知っているところ。しかし、普通の炊飯器で炊くのが難しかったり、硬くてボソボソして食感が悪かったり、独特のにおいのせい今ひとつ人気が薄かったのです。それを独自の技術で解決し、普通の炊飯器で炊いて食べることが可能になり、米が本来持っている力を引き出すことが出来るようになったのです。

白米の玄米には多くの栄養素が含まれていますが、さらに黒米は糠の部分に色素成分でポリフェノールの一種のアントシアニンが含まれ、また、毎年の国民健康・栄養調査で女性の摂取不足が報告されている鉄分も含んでいます。

一方、大豆には畑の肉と称されるほどタンパク質が多く、コレステロールの低下作用がある不飽和脂肪酸が含まれています。また、毎年のように摂取不足が報告されているカルシウムも含まれています。さらに、ポリフェノールの一種のイソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きを体内ですることから、更年期障害の症状の緩和や生活習慣病で女性に多い骨粗しょう症の予防が期待できます。その上、厚生労働省研究班が行っている日本人の女性を対象とした調査では、大豆や大豆加工食品を良く食べる人ほど、乳がんや脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクや循環器疾患による死亡リスクが低減することが報告されてるそうです。

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一見地味な食べ物の在り方にこそ、日本人が長寿で素晴らしい精神力や知力を育んで来た秘密があるのです。代々受け継いで行きたい家庭の味を大切にしたいものです。

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食事のバランスが崩れやすい現代だからこそ、主食の大切さを考えるべきなのです。ネーミングどおり、女性への美しさだけでなくアンチエイジングにも良い「美人玄米」を上手に食事に摂り入れてみてはいかがでしょう。

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2008年6月26日 (木)

チョコを食べる10のメリット

今日はニューヨーク発祥の生チョコで有名な「5thアベニュー」のアイスクリームが届きました。マディソンスクエアにある「5thアベニューチョコレート」は、生チョコひと筋の老舗。元リサーチアナリストとして、チョコの原料・カカオ関係の 仕事をしていたオーナー・ジョン・ウェリー氏は1976年 マンハッタン5番街に現チョコレート店を開業。 (店の名前の由来は、ここから来ている。)その後、マジソン街を経て2006年3番街に移転、 今日に至っています。

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何といっても自慢は「生チョコ」。コクがある、柔らかな舌触り、 そしてすっきりとした後味が人気。 この魅力に取りつかれ、何度もこのお店を訪れるリピーター も後を絶ちません。

ロングアイランドに自社工場を持ち、毎日すべてのチョコレート、新鮮な生チョコが作られ、お店に運ばれています。独自の製法による滑らかさと、甘さを控えカカオの風味を生かした上品な味が特徴で、クリントン元大統領も大のお気に入りとか。

シャンパンを使ったチョコレートは、日本人の繊細な味覚に合うよう日本のためだけに作られたスペシャル。木箱の蓋を開けるとシャンパンの香りが強く漂い、 口に入れるとまろやかなコクと共に鮮烈なシャンパンの風味が広がる。そして後味を長く残さない潔さが男性にも評判です。

ニューヨークのお土産の定番ともなっている生チョコは、 ニューヨーク発JAL・ANAのファーストクラス、 ビジネスクラスの食後デザートとしても提供されており、フライトアテンダントにも大人気なのです。

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もう数年前に銀座のプランタンでしか買えない頃に出会い、シャンパン、ストロベリー、アップルなどの生チョコが心を躍らせてくれています。今回のお取り寄せは、」「生チョコ」「「シャンパン生チョコ」「ストロベリー生チョコ」の基本に加え、「ブルックリンチーズケーキ生チョコ」&「アップル生チョコと通常のバージョンより種類が豊富です。

ん~~~どれも素晴らしく美味です。生チョコとそれぞれの香りが口の中で混ざって広がり、何て贅沢な味わいなんでしょう。

幸せを頬張るってこういうことですね。

さて、皆さんは甘いもの、中でもチョコに少し罪悪感を持っていませんか?食べ過ぎるといけない・・・など。

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そこで、チョコを食べる10のメリットを紹介します。

ローレン・チャットマン著 [Mom’s big Book of Baking and Instant Gratifiation]より抜粋訳

 1. ダークチョコは赤ワインの2倍、緑茶の4倍の心臓病予防効果がある。

 2. 1日に1本チョコレートバーを食べたボランティアのコレステロールレベルが低下した。

 3. カリフォルニア・デービス大学の研究によると、チョコレートには、アスピリンと同程度の血液を薄める効果が見られた。

 4. チョコレートに含まれている、フェニレシラミンには、恋愛中などに人間の脳で生成される自然の鎮静剤としての働きがある。

 5. チョコレートに含まれている、アナンダマイトは、幸福感や満足感を生み出す、脳内物質である。

 6. 3000人の学童年齢の子供を調査したところ、虫歯を引き起こさないことがわかっている。

 7. チョコレートは、お茶のわずか10分の1、コーヒーの15分の1のカフェインしか含まない。

 8. 偏頭痛に悩む患者の研究によると、チョコレートは偏頭痛の引き金にはならないことがわかった。

 9. またチョコレートは、ニキビとの関連性がないこともわかっている。

10. チョコレートには、ガン、加齢、アルツハイマー、関節炎、喘息、その他の炎症を防ぐ、抗酸性物質が含まれている。

※【5thアベニューWebSiteより】

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2008年6月19日 (木)

最注目!仏×日 料理人「夢の対決」

Les Rendez-vous culinaires japonais “レ・ランデヴー・キュリネール・ジャポネ”京都三大名店×ベージュ アラン・デュカス 東京 ~日仏交流150周年を記念して~ 食の饗宴がスタート!

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写真左から「瓢亭」高橋氏、デュカス氏、「美山荘」中東氏、「京都吉兆」徳岡氏、駐日フランス大使のフィリップ・フォール氏、「ベージュ」ラクレソニエール氏

今年は、日本とフランスが修好通商条約を結んで、ちょうど150年。日仏交流150周年を記念して、「ベージュ アラン・デュカス 東京」は6月18日より「ベージュ アラン・デュカス 東京」にて京都の老舗日本料理店3店との饗宴を開催。「瓢亭」「美山荘」「京都吉兆」がつくるフランス食材の料理と、「ベージュ アラン・デュカス 東京」のフランス人シェフ・ジェローム・ラクレソニエール氏による日本食材の料理の融合に挑戦する。

開催日時は第1回「瓢亭」高橋義弘氏 6月18日(水)~6月22日(日)、第2回「美山荘」中東久人氏 8月6日(水)~8月10日(日)、第3回「京都吉兆」徳岡邦夫氏 11月5日(水)~11月9日(日)。価格はランチ1万7000円(4皿、デザート、食後の飲み物)、ディナー3万5000円(7皿、デザート、食前・食後の飲み物)、価格は税込。サービス料と飲み物は含まず。

 アラン・デュカス氏はこの饗宴の狙いを次のように話す。
「テーマは革新です。料理技術、プレゼンテーション、食材使い、すべてにおいての革新。お客様にも革新的な出会いとなるでしょう。ジェローム氏には、日本料理、とくに京都文化を体現する3名の素晴らしい料理人の技術と料理哲学を学び、理解し、(コース)メニュー全体として味に一貫性が感じられるものをつくるようにと言ってあります。
 なぜ日本料理の老舗である彼ら3名に依頼したかといえば、歴史があるからこそ、本物の革新があるから。歴史のない根無し草のような料理は革新とは呼ぶことはできない」

 日本料理人の3名は担当期間中、「ベージュ アラン・デュカス 東京」で昼夜、ジェローム氏とともに腕をふるうことになるが、京都を代表する日本料理人の彼らにとって、東京の、フランス料理店の最新鋭キッチンはいわば”アウェイ”の地。使い勝手も違えば、水質や食材もふだんとは異なるなかで料理することからして、大きな挑戦となる。

「フランス料理はもともと好き。シャランの鴨肉や、フォアグラ、トリュフなど代表的な食材を用いる予定。いままでにフランス料理に触れてきたことを、この機会にさらに表現する場と捉えています。全体として、自然な流れを生み出したい」(高橋氏)

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「フランス食材を美山荘の料理にしていければいい。美山荘は自然のものを使う料理だが、どのようにするか、考えているところ。こうした試みを通じて、日本の料理界だけでなく、世界が近くなればうれしい。楽しみにしています」(中東氏)

「ジャンルの壁、地域の壁、さまざまな壁を越える挑戦。大変な苦労と勇気が要るが、乗り越えるためのすごいパワーが起こるだろう。それを期待しています。料理は旨み成分の複雑な掛け合わせでできている。国境を越えた旨さの可能性を追求したい」(徳岡氏)

と、それぞれが意気込みを語っている。

この偉大な挑戦の第一歩に立ち会って来た。

瓢亭第14代目高橋英一氏は、「伝統というのは守っていくだけでは衰退(すいたい)やと思いますので、『革新』とか『改革』とか『攻め』とかをして少しでも良い形に変えていくわけです。
両親から受け継いだものを、それよりも少しでも良い形にして次の世代に渡していきたい・・。と話していました。そして今、15代目の義弘氏が老舗の看板を背負いつつ新しい時代の扉を開く、この新しいチャレンジの晴れ舞台をどのように飾るのか?しかも、最新鋭の電磁調理設備を使わねばならないという難しいハードルを越えられるのか?興味は尽きない。

ディナーの内容は・・・

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・さよりの軽いマリネ さまざまな野菜 海草ジュレ
・きす 黒オリーヴと木の芽 緑野菜 トマトシロップ
・瓢亭玉子 アキテーヌ産キャヴィア うなぎ白焼寿司 インゲン豆のアーモンド和え 鱧子の煮凝り 焼き芋のきんとん
・加茂なすのいろいろ ピストゥー
・ブルターニュ産オマール海老 ほうれん草 蓮芋 レンコンチップ オマール海老のブイヨン
・シャラン産鴨のロティ ジャガイモ 新タマネギ 紫蘇とさんざしのソース
・鴨ぞうすい ジロール ムースロン 三つ葉 柚子
・青梅のコンフィ ソーテル風味
・マダガスカル・ヴァニラのミルフィーユ
・よもぎの葛もち

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和の食材をジェローム・ラクレソニエール氏が、フランスの食材を高橋義弘氏がそれぞれの持ち得る技術と感性で調理するという夢の対決だ。お互いが単純に融合するのではなく、感じるままに食材と向き合う、そんなライブ感が皿からは溢れている。初日の緊張感もまたこうした試みの面白い部分である。コースとしての完成度は最終日に譲るにしても、研ぎ澄まされた第一刀をこそ感じれた夜は記憶に残る時間となった。

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それにしても高橋義弘氏は、素晴らしい面立ちと涼しい眼をしている。良い料理人が持ち得る静かなオーラに熱い気持ちが伝わって来た。今後も目が離せそうにない。ジェローム・ラクレソニエール氏の和の食材への解釈に日本の食文化への敬意を受け止め、その懐の深い料理人としての幅を感じる事が出来た。この対決の行方を見逃す手は無いだろう。

次回以降も要注目の食の革命対決を見逃せない!

素晴らしい料理哲学の共演に拍手を贈りたい。

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2008年6月 6日 (金)

フードジャーナリスト会議に出席

「フードジャーナリスト会議」は、テレビ、出版、新聞、WEBなどを中心に、「食」と「食メディア」に携わる「プロフェッショナル」が集う勉強会&交流会であり、月例セミナーでは、各界のトップランナーをゲストスピーカーに呼んで、興味深い最前線のお話を伺ったり、名刺&情報交換会として開催されています。

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今回のテーマは「ミシュラン・アゲイン!」ということで、昨年の6月にも開催された際は、これから東京版が発刊されるという前でしたから神秘に包まれた部分が多かったのですが、今回はミシュランガイド東京版2008が発売されて以降に多くの意見が出たことを受けて、総責任者のジャン=リュック・ナレ氏が再び登場です。

ゲストスピーカーに横川潤氏も加わり、世間に広まる噂などを検証する形でナレ氏が答えるという進行でした。「まだヨチヨチ歩きの東京版は、やっと立ち上がった幼い段階ですから、今後さらに精度を高めるための努力をしている」という言葉を皮切りに、将来的には日本人だけの調査員をパーマネントとして常駐して、それぞれの国の料理のスペシャリストのサポートなどを受けながらの運営をして行く。星というのはシェフに捧げる勲章ではなく、あくまでもミシュランのセレクトに過ぎない。来年ミシュランガイドの100号を記念して、様々な本を企画している。例えば3ツ星だけの掲載本やヨーロッパのみの星付きレストランガイド(1800軒)など。2009年版、東京の調査対象エリアは2008年版より3~5区拡大される見込み。
イタリア料理には厳しいのかという質問にも、イタリア人の調査員が確認しているのでそのような事はないと回答。日本が世界に冠たる美食の都だという事は世界中の常識になっていて、ミシュランの調査員たちも日本に来たがっている。2008年で星を取った店に加えて、新たに1500店がプレセレクションの対象になっている!次の新しい国での発刊は、日本以外のアジアであり、年内に発表する。日本の文化を学んだことが今後のミシュランに生きる。セレクションは合議制である。来年以降、関西or京都版進出か?既に大阪に調査員が様子を見に行っている・・・などなど、すでに調査が始まっている「2009年版」の最新情報を含む熱い2時間の会議でした。

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今回の会議には、ミシュラン本部から編集責任者であるグウェンダル・プーレネック氏も来ていて東京がが世界の話題の大きな中心点であることを窺わせていました。日本に外国からの視点が入り、食を評価するという点においての実績を持つミシュランが新しい風を入れて議論を巻き起こしてくれたのは、良い事だと思っています。食に対する考え方が原点を見つめ、真摯にお客様へ向かう姿勢でレストランの在り方を作り手と食べて側で考える良い機会になっていると思います。

我々フードアナリストもWith Thanks & Respectsという感謝と尊敬の気持ちを忘れずに、食べる楽しみの作り手と食べてへの架け橋になりたいと思っています。

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2008年6月 4日 (水)

「さくらんぼ」という宝石

さて、6月です。
今月は鮎釣りの解禁があったりして楽しみにしているのですが、僕にとってはやはり「さくらんぼ」の季節なのです。

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残念ながら、私たちはもうさくらんぼの本当の美味しさを忘れているかもしれませんね。それは、1年に十粒入れば幸せなことになるのですから。果たして、日本のさくらんぼが美味しいのかどうかも見極めるチャンスもありません。何より高すぎて手が出ない価格のモノになってしまっています。偶に他から頂いても値段が気になって素直な気持ちで食べられないほどの代物と化しています。

佐藤錦などは、ちょっとした百貨店なら1万円は下らない価格なのですから・・・

僕が子供の頃など、さくらんぼと枇杷、ザクロなどは、帰る道すがら木の枝から捥ぎとってランドセル一杯にして帰って食べたものです。木で完熟した美味しさは格別でした。
まぁ、季節のものだから口に入れられる幸せをちょっと味わえばいいという方もいらっしゃいますが、本来季節の旬のものは、その季節にいっぱい豊富に取れるべきものです。その盛りに3粒4粒では悲しくなります。
どうしてこんな事になってしまったのでしょうか。

5月頃からイタリアやフランスには春を知らせる希望の彩りに満ちた果物があちこちのマルシェ(市場)に豊かに並びます。500gほどのさくらんぼを大きな紙袋に入れてもらいます。街を歩きながら幸せな気分で春風を感じながらつまみます。何という美味しさなんでしょう。ひと粒の果実の中に、確かに一つの世界があるような、深い密度の色々なものがギッシリ詰まった美味しさがあります。あっという間に袋が空になってしまいます。最後の一粒を食べ終えると、急に手のベトベトが気になり始め、すぐに手を洗わねばと思ってしまうほどです。糖度が高いだけでなく、豊富なミネラルが詰まった粘りなのです。

何て幸せな気持ちなんでしょう。
この幸せは、僕の記憶で15フラン、300円ほどでした。1キロだと日本での高級佐藤錦だと1万円。600円との差はどこから来ているのでしょうか。

僕の幼少時にある記憶は、まさにフランスで気軽に食べたさくらんぼの味です。

季節ごとに美味しい果物があふれ、お腹いっぱいに、心いっぱいに季節の恵みと幸せを感じる。こんなことはごく普通の事ではなかったでしょうか。

当たり前の収入で、当たり前の生活をしている人のための、そんな当たり前のことがいつの間にか忘れ去られ、味や香りが落ちた果物に希少価値を付けて、理不尽なまでの価格を支払う・・・。こんなには正しくないですよね。

少し愚痴っぽくなりましたが、要するに本来あるべき姿の季節の恵みを適正な価格で、本当の味わいで充分な量を楽しめる食卓を取り戻したいという提言も、フードアナリストの役割のひとつなのではないかと思っています。

今日は無理なく買えるアメリカンチェリーを手のひらいっぱいほど買って来ました。
これはこれで、充分幸せです。

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2008年5月27日 (火)

フードフランス 2008/2009

豊かで奥深いフランス料理の世界とアラン・デュカスが見出したフランス各地の若いシェフたちの才能を、世界に向けて発信する「フードフランス」という食の企画が、東京は青山のフレンチレストラン「ブノワ」を舞台に繰り広げられている。

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「フードフランス」は、フランス料理界の未来を担う若き才能あるシェフを後押しし、伝統と風土を基本としたフランス料理の奥深さをアピールすることを目的に、アラン・デュカス氏の発案により2003年パリのホテル「プラザ・アテネ」を舞台に開催されました。2006年までにフランス各地方から43人の若手シェフが選ばれ、それぞれの料理を通じてフランス料理は時代とともに進化し、ダイナミックかつ多様性に富んだものであることを証明しています。

まだ世界が知らないフランス料理の“今”と“これから”を知る素晴らしい機会に心を躍らし、参加して来ました。

ヨウニ・トルマネンが作るのは、オリーヴオイルや柑橘類、パスタなどを使用した、地中海の香り漂うフランス料理。シンプルな調理法と斬新な食材の組み合わせで、常に驚きと発見を味わわせてくれる。その完成度の高さは、絶え間ない探究心と素材に対する真摯な姿勢の賜物。また色彩の美しさは、太陽に光り輝くコート・ダジュールの海を感じさせてくれる。

食文化への造詣が深く、またフランス文化への関心が高い日本でも2006年より「フードフランス」が開催され、2年間で11人のシェフが来日し、大勢の美食家やプレス関係者が、フランス料理の“今”と“これから”を堪能しています。

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「フードフランス」に参加するシェフ達は、パリ以外、時には本当に小さな町や村で、その土地の風土と味にこだわりながら活躍する若手シェフであり、21世紀のフランス料理の担い手です。その土地の伝統的な料理や食材にオリジナリティーと創造性を吹き込む若く才能あるシェフは、フランス人とは限りません。「フードフランス2008/2009」では、京都から日本人、コート・ダジュールからフィンランド人、コルシカ島からイタリア人、そしてローヌ・アルプ、ブルゴーニュ、オーヴェルニュ、ノール・パ・ド・カレの4地方からフランス人のシェフを迎えます。アラン・デュカスに選ばれた彼らの料理を通して、国際的に進化する「フランス料理」の“今”と“これから”、そしてその多様性をこの東京で発見出来る楽しみを体験してみてはいかがでしょう。

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日程 

1.2008年4月25日(金) ~4月28日(月)【終了】
シェフ:奥村直樹 <匠奥村>

2。2008年5月22日(木)~5月27日(火)【終了】
シェフ:ヨウニ・トルマネン<ラ・レゼルヴ>

3.2008年7月3日(木)~7月8日(火)
シェフ:ルネ&マキシム・メイユール<ラ・ブイット>

4.2008年10月2日(木)~10月7日(火)
シェフ:フレデリック・ドゥーセ<オテル・ド・ラ・ポスト>

5.2008年11月20日(木)~11月25日(火)
シェフ:ダビデ・ビセット<カサデルマール>

6.2009年1月22日(木)~1月27日(火)
シェフ:フランソワ・ガニェール<レストラン・フランソワ・ガニェール>

7.2009年3月12日(木)~3月17日(火)
シェフ:アレクサンドル・ゴティエ<ラ・グルヌイエール>

※プログラムはシェフの都合により変更になる場合もありますので事前にお問い合わせください。
03-5468-0887

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2008年5月19日 (月)

From沖縄「塩スイーツ」

H0000002262 今日、福岡の友から沖縄のジェラートが届いた。
「安・ISHIGAKI GELATO」という店の安藤彰敏氏の手によって生み出されたジェラートは、珍しい石垣島の食材を使用したフレーバーから、定番まで数多く揃っていて全国にその名を馳せている。

お店では、手作りのジェラートを毎日並べているので、常にできたてのジェラートが堪能できるのだという。そんな、貴重なジェラートが大層なパッケージで届いたのだ。その中でも人気No.1。「石垣の塩」の中でも三ヶ月掛けて数キロしか取れない「珠」1K1万円の塩を使った石垣ジェラートだそうだ。

沖縄の青い珊瑚礁を思わせるブルーグリーンも美しく、旨みを含んだほんのりとした塩気と牛乳のコクがバランス良く口の中で広がる最上の味わいです。

こりゃウマイ!!!

現在の「塩スイーツ」ブレークは、フランスの小さな町から始まった。

E0009722_1154132 1977年、ブルターニュ地方の港町キブロンで、「Le Roux」というパティスリーが開業。キャラメリエの称号を持つ唯一の職人であるアンリ・ルルー氏が生み出した「C.B.S.」(セー・ベー・エス)は、キャラメル・ブール・サレ、つまり「塩バター入りキャラメル」の意味。もともとこの地には、「ニニシュ・ド・キブロン」という、名物の棒つき飴があり、キャラメル味には、現地の有塩バターが使われていた。

塩スイーツ流行の起源に、仏ブルターニュ地方の「海塩」文化が見て取れる。

「C.B.S.」は、トロリと柔らかな甘塩っぱい口溶けにナッツの香ばしさと食感が何ともいえない。キブロンは、タラソテラピーで有名な夏のリゾート地。ここを訪れるセレブの口コミによって、この知る人ぞ知る美味が世界に広まったのである。

商標登録もされている、アンリ・ルルーの「C.B.S.」
日本でも、伊勢丹新宿店がいち早く紹介しファンを増やしていった。
そして2007年5月、同店内に、待望の日本第一号店がオープン。厚焼きクッキーのようなブルターニュの伝統菓子「ガレット・ブルトンヌ」や、塩入バターキャラメルC.B.Sのペースト、C.B.S.入りのタルトなど、ラインナップも豊富。タブレットと言われる板チョコレートも、粒塩入りの「アンブラン」「ゴビロ」の人気が高い。

現地の伝統菓子ガレット・ブルトンヌや、塩キャラメルペーストのタルティーヌなど、おなじみの菓子に新しさをプラスした塩スイーツが支持を広げたのだ。

塩スイーツは、新しいようで、実は懐かしい。子供の頃にも「塩見饅頭」や「塩羊羹」などがあったくらいだし。
菓子への注目が高まり、食べ手が使用素材について詳しく知り、違いを味わい、食べ比べてみたいと考える時代。だからこそ、これまでも、隠し味として力を発揮していた「塩」が、脚光を浴びる形になった。そんな探究心に裏打ちされた塩スイーツ、これからも、その人気は続きそうだ。
※石垣の塩 - 珠塩(たまじお)
石垣島の珊瑚礁を育む美しい海水のみを原料として丁寧に作り上げられた天然海塩。 その中でもじっくり熟成させて、仕上がりまでに 3~5ヶ月もの時間がかかる珠塩(たまじお)は甘味と旨味を持った最上級品。

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2008年5月12日 (月)

味覚を磨こう

Artichoku 旬の食材が色鮮やかに店頭にあふれている。味覚は視覚や聴覚と違って年をとっても衰えにくいとされるが、中高年の場合、油断は禁物。色々なものをよくかんで食べると機能が保たれ、いつまでもおいしさを楽しめるのです。

料理研究家である服部栄養専門学校の服部幸應校長の著書に書いてある心配事が気になった。若い人の味覚の低下だ。同校では新入生全員に味覚テストを実施する。砂糖(甘み)・塩(塩味)・酢(酸味)・キニーネ(苦み)・グルタミン酸(うまみ)の5つの基本味を蒸留水で濃度0.001-0.004%の4段階に薄め、味を見分けるというもの。

一番薄いもので5つの味を区別できた割合は20年前なら50%強だったが、最近は27%。一番濃いものでも全部正解した生徒は半分だったそうだ。「味の微妙な違いが分からなくなっている」と嘆く。
味覚を鈍らせる犯人として服部校長は「ばっかり食」「ばらばら食」といった食事スタイルを挙げる。「ばっかり食」とは同じものばかり口にする食べ方。ハンバーグ定食の場合なら、最初にハンバーグを平らげ、次は付け合せのニンジンを食べ尽くし、最後はみそ汁を飲み干す。

これでは口の中で単調な味が続き、味覚への刺激が足りない。「箸をつける料理を次々と変えることで味が混ざり合い、味覚が鍛えられる」。
「ばらばら食」は家族や友達が一緒に食事をしていても別々の料理を食べる場合を指す。ファミリーレストランで見かける光景だが、これでは同じものを口にして「おいしい」という感想を分かち合えず、味覚が鍛えられない。核家族化などによって味覚を養う機会が失われている。

Kaki 中高年の場合はこうした食生活に加えて、薬の服用や入れ歯によるかみ合わせの悪さが原因で鈍ることがある。「味が薄く感じる」「味が分からない」。こうした症状が長引くと味覚障害が疑われる。しかし、味覚障害の約3割の患者は亜鉛を補えば回復している。

「甘い」「辛い」などを感じられるのは、舌やあごに点在する味蕾(みらい:味細胞)が味覚情報をとらえ、神経を通じて脳に伝達しているからだ。味細胞はほぼ7~10日周期で入れ替わると考えられており、新たな細胞を生み出すのに不可欠なのが亜鉛である。

日本人が1日に必要な摂取量は男性12mg、女性10mg。食生活の偏りで亜鉛欠乏に陥るほか、降圧剤や利尿剤など服用薬の種類によっては体内の亜鉛を奪い取ることがあるので、医師などに相談することも大切だ。

亜鉛を多く含む食材の代表は牡蠣(かき)。大きいものだと1-2個食べれば1日の必要量が賄える。最近は亜鉛を含むサプリメントも登場。コメも相応の亜鉛を含む。亜鉛不足解消には毎日3食、ご飯を食べるとよいのだ。※ビタミンCと同時に摂取する事で、亜鉛の吸収が高まります。

味覚を守る基本はよく噛むこと。食べ物を細かくかみ砕き、だ液とよく混ぜ合わせることで、味細胞は味覚情報をとらえられる。「おいしいか、おいしくないか」「この味は他のどの味に似ているか」など味を意識しながら食べることでも大いに鍛えられる。

食事を楽しむには香りも重要な役割を演じている。風邪で鼻が詰まると何を食べてもおいしく感じない経験は誰にもあるだろう。香りに味覚増強効果があるか実験した結果がある。ストロベリーの香りなど甘さを喚起する香りをショ糖溶液に加えたところ、加えないものより強い甘みを感じることが分かったそうだ。酸っぱさでも同じことが起きるという。

糖尿病や高血圧で食事制限を受けると、薄味の料理を食べなければならない。人工香料などで風味を工夫すれば、糖分・塩分量を変えなくてもおいしく食べられそうだ。

味覚を鍛えるには…
「ばっかり食」「ばらばら食」を避ける
同じものばかり食べず、おかずの次にご飯、みそ汁、またおかずといった要領で少しずつ順番に
とにかくよく噛むことが大切です。
食材を細かく、だ液がよく出るように
味を意識しながら食べる
味覚は脳の働きも重要。それまで食べたものと比べておいしいかどうか考えてみる
亜鉛不足に注意
味細胞の入れ替わりを促すことです。

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2008年5月 8日 (木)

顔のテカリはこれで解消!

【世界が認めたすぐれた薬効】

Photo クミスクチンは、うっちん(ウコン)やグァバと並ぶ沖縄三大薬草の一つです。シソ科の多年草で、成長すると1メートルほどになり、白色や薄紫色の美しい花を咲かせます。原産地は中国南部やインド、東南アジア方面といわれ、長く突き出した雄しべ・雌しべが猫のひげに似ているところから、マレー語で「猫のひげ」を意味するクミスクチン「KumisKuching」と命名されました。

世界各国でその高い薬効が認められていて、ドイツでは腎臓の薬として、オランダやフランス、スイスなどの薬局でも利尿薬として扱われています。クミスクチンの成分はまだ十分には解明されていませんが、各種ミネラル成分が豊富に含まれています。なかでもカリウムが血液や体液の水分貯留量を下げて利尿作用を促進し、血圧を降下させるとされています。血圧が下がれば心臓の負担も軽くなるとされています。

その他にもオルソシホニンという成分や、シソ科の植物に含まれているロズマリン酸という成分も注目されています。ロズマリン酸には、食べ物に含まれている余分な糖分や脂肪分が腸に吸収されるのを阻害する働きがあり、その結果、肌の皮脂への負荷が軽減されて、美肌効果が期待されています。その他にもロズマリン酸は、シソ科の植物に含まれているポリフェノールの一種で過剰になっている免疫反応を正常に戻す働きがあり、花粉症などのアレルギー症状を軽減する物質としても期待されています。

体の内側から美しくなりたい。クミスクチンはそんな女性の強い味方かもしれません。

肝心の味ですが、サッパリとした清涼感を与えてくれる爽やかなシソの様な味がします。シソの香りが苦手という方は、ハチミツなどをお好みに合わせると、おいしくいただけます。

顔のテカリにはクミスクチン茶といわれるほど。

夏の前にお肌の調子を整えてはいかが?

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2008年5月 2日 (金)

ボワシエ・ペタルチョコレート

Photo 素敵なお土産を頂きました。

アンティーク調のパッケージを開けると、フワっと立ち上るいい香り。そこにはエレガントな花びらのフォルムをしたブラック、キャラメル、ホワイト、ピンク、グリーン、パープルなど見た目にも美しい華やかなチョコレートが並んでいます。

ショコラの祭典として名高いパリ・サロン・ド・ショコラ、2003年のイノベーション(革新的)部門で準グランプリを受賞した「ボワシエ」のペタルチョコレートです。

「ボワシエ」はパリ16区にある1827年創業の老舗洋菓子店。
産業革命期の19世紀後半にはヴィクトル・ユーゴーが称賛の詩を読み上げたという逸話も残っています。
老舗のパティスリーでありながら、伝統と革新性を融合させた新しいスイーツの提案をしている点でも、高く評価されています。

ペタルチョコレートのペタルとは花びらという意味。
詰め合わせた姿が花束を思わせるエレガントで独特な花びらの形をしたチョコレートに、紅茶の葉茶やラベンダー、ジャスミンなどをトッピング。その調和により生まれた味わいと、7種の香りが楽しめます。

チョコレートに混ぜ込まれた香りではなく、茶葉や乾燥ラベンダーなどが粒で散らばっている事でチョコの味わいと香りの混ざり具合が絶妙なバランスとなって美味しさを立たせています。

Photo_2 いつもと違う贈り物に喜ばれそうです。
これが母の日の贈り物でも、お洒落ですね。パッケージも素敵です。 

東京駅八重洲口・東京大丸デパートにて買うことが出来ます。

 内容  カカオニブ(ブラックチョコ)、キャラメルティー(ミルクチョコ)、バラ(ピンク)、すみれ(パープル)、ラベンダー(ホワイトチョコ)。ジャスミン(ホワイトチョコ)、くまつづら(グリーン)の
7種類入り。 

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2008年5月 1日 (木)

自由が丘「いちばんや」

Photo_2 何て事はないラーメンのスープ。しかし、その琥珀色の澄んだ液体の中に込められたこだわりというものは、ある意味店主の人生そのものなのかもしれない。

自由が丘の「いちばんや」という名のラーメンが好きだ。おそらく、既成概念や固定観念の類で判断すると物足りないスープと感じてしまうかもしれない繊細さではある。しかし、ここのスープは、毎回全て飲み干してしまうほど。いや、飲み干してこそ、その味わいの深さを知る。

日頃、あまりラーメンは食べるジャンルではないが、料理としてスープを欲する「いちばんや」は身近なホッとする場所。家族で訪れる安心の店でもある。

独自の基準で厳選した安心素材をふんだんに使用し、時間と手間をおしまずにじっくり煮込んだ、100%手造りの天然だしスープは、その滋味溢れる深みの奥に丁寧な仕事が見て取れる。化学調味料は一切使用していない無添加のスープ(先ダレにも使用していない)は味わってみる価値あり。

Photo_3 既存のラーメン屋と違うのは、店の在り方にも強い信念と哲学をもっている点。お客様との距離感を心がけている。店創りのこだわりとして、「どんな空間」で召し上がっていただければ、「ラーメンが美味しく感じ」よりお客様に満足していただけるかを真剣に考えました。店造りの基本も当然ここにあると考えます。名前は「いちばんや」と名付けました。八つの「いちばん」を目指してがんばりますという気持ちをこめて!!

「 一、スープ 二、麺 三、素材 四、器 五、水 六、店 七、サービス 八、お客さまの満足」

と、店主は語る。

華やかなラーメンのアピール合戦の世の中で、全く我が道を行くこの店のスタンスに共鳴を覚える。

日々精進、ラーメン作りは一生の修業とする店主の存在を密かに応援している。

毎回、微妙に味が安定していない部分もある。それは、体調だったり新しい試みだったり・・・食材のコンディションの差であるのかもしれない・・・それほど繊細な仕事にこだわり、時間をかけて丁寧に仕込んでいるのだから、むしろその微妙さを楽しむのが正解。

さて、今日はどんなスープに仕上がったかな?

静かにジャズが流れる、この店のスープの完成まで付き合ってみたい。

【写真中央】しろ醤油三種入りラーメン(しろ醤油ラーメンにマグロの香味焼き、味付け玉子、チャーシューがついてます。)

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2008年4月22日 (火)

遠ざかる焼き魚

専門店や精進料理を除いて、伝統ある日本料理屋や家庭料理には昭和の戦前までは炒め物や揚げ物は、ほとんど無かったそうだ。これらの料理が家庭で多くなるのは昭和33年以降の事である。

その理由は、台所が光り輝くステンレスになり、換気扇が付くようになったからである。都会では鉄筋コンクリート造りの集合住宅が出来た。今風にいえば小型マンションのようなものだったといいます。

Photo この頃を境にして日本の家庭料理に炒め物や揚げ物といった油物が増えてくる。魚を焼く煙や、炒め物、揚げ物の油煙が換気扇を通して屋外へと排気される。屋根の上で恋をする猫がこの煙に邪魔される。と、「サザエさん」にも、そんな情景が描かれてましたっけ。

日本の家庭料理は、油脂を多用しないことが伝統であったが、油脂中心へと移行をはじめ、現在に至っている。にぎり鮨のネタで鮪の赤身と、トロの値段の格差が大きく開いてきたのもこの頃らしい。元々は、トロの方が安かったのだ。日本人が油脂の味に慣れ親しんだ結果でもある。食べるという文化は、学習により味覚の幅が広がり、且つ慣れが文化を生み出すという一例でもある。

食べ事の文化の変容はいいことだけではない。油脂を使って料理を作ると、器もキッチンも油脂で汚れる。きれいにするために洗剤が登場した。その汚水が下水となり、下水道を通じて川へ流され、海に辿り着く。そして、河川と海が汚染された。これに工場排水なども輪をかけ、イタイイタイ病や水俣病といった痛々しい事件が生じてしまった。だが、河川が汚れる一番の原因は家庭排水であるという。絶対量が多いからだ。

鉄筋コンクリート、ガラスという今の密閉型マンションでは、魚を焼くと、その臭いが残り、衣類に吸着してなかなか消えないという。また、ダクトを通じて臭いが漂うため隣近所から苦情がくるという。
そんな事で焼き魚が遠ざかっていった。
焼くものから買うものになってしまった。

先日、年配の紳士と話していての昭和回想録、環境の変化で食べ物の文化が変容してしまうのは寂しいというお話。

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2008年4月16日 (水)

ハワイ“食事”情報

Hawaii001 ここ最近ハワイでは、食に関するさまざまな新しい動きが起きています。 その一つが「ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ」と呼ばれるもの。 ハワイ産の新鮮・安全な食材をふんだんに使ったこのお料理は、ハワイでしか味わえないものです。またワイキキを中心に話題の新しいレストランが続々オープンしています。

ハワイの“今”を食べ歩いて来た今回の中でのお奨めをご紹介します。

朝食は、ホテルが良い内容が多かった気がします。僕の特別講座に参加下さった方には話したことがあります、伝説の感動ホスピタリティー溢れるレストランであるハレクラニの「オーキッズ」、ザ・カハラの「プルメリアビーチハウス」の日曜ブランチ、ニューオータニ・カイマナビチの「ハウツリーラナイ」が良かったですね。リケリケドライブインやリリハベーカリーのパンケーキもまた良し。土曜日限定のサタデー・ファーマーズマーケット「KCC(カピオラニ・コミュニティー・カレッジ)」という朝市での朝食もGOODでした。

ランチは、デパートであるニーマン・マーカス内の「マリポサ」。少し足を伸ばして、カイルアビーチにある創業1932年地元の人たちがこよなく愛する「カラパワイ・マーケット」というコーヒースタンドのような店での惣菜やサンドイッチ、デニッシュなどが良い。ここでは、テイクアウトして透明度抜群の海を見ながら食べて欲しい。コーヒーが旨い!

ティータイムは、モアナ・サーフライダーのアフタヌーン・ティーとハレクラニの「ハウス・ウィウズアウト・ア・キー」で、フラダンス・ショーを見ながら夕暮れ時を愉しむべき。“ストロベリー・スムージー”は永遠の名作。

夕食は、やはりワイキキ・パーク・ホテルのロビー階にある世界的に著名なシェフ松久信幸さんのレストラン「ノブ・ワイキキ」が面白い。そしてハレクラニの本格派フレンチ「ラ・メール」は間違いのない選択。ハワイ。ヨーロッパ・アジアのフュージョン料理でハワイ全島のレストラン大賞“ハレアイナ賞”を受賞しているのはTザ・カハラのメインダイニング「ホクズ」もハワイのお洒落な夜には欠かせない時間です。絶対にデザートにアイスクリームを頼み忘れないように!後悔します。ハワイで40年の歴史を誇るフレンチ「ミッシェルズ」は、世界中のセレブ、著名人が訪れる名店。景観の良さから、アメリカのテレビ番組で、世界一ロマンティックなレストランと紹介された事もある。

今回のイチオシは、アラモアナ・ショッピングセンター内メイシーズ・デパートにある「パイナップル・ルーム(アラン・ウォンズ)」。以前は、どうって事のない普通のレストランでしたが、今回は激変ぶりに驚きました。格段に美味しくなってメニューも魅力的です。聞くところによると最近、シェフが変わったそうです。

番外として、ワイキキのDFSギャラリアの向かいの「焼肉ひろし」は毎回行くお気に入りです。

B級グルメでは、ノースショアのファーストフード「ジョバンニ」の“海老のガーリック炒め”が好きです。思いっきり手を汚してムシャぶりついて下さい。

もちろん、その他にも嬉しい&楽しい食のシーンはたくさんありますが、お腹がはち切れそうになったのでこのくらいで勘弁して下さい。

食・食空間、ホスピタリティーという観点から総合評価でNo.1はハレクラニ・ホテルが最高位にランク。次点はザ・カハラですね。「サービスする人間力がハレクラニ」と「最高の自然環境の快適さがザ・カハラ」という違いです。あくまでフジーニ的な感想です。

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2008年4月15日 (火)

「厳選レストラン」本日OPEN!

いよいよ「@nifty厳選レストラン」のグランドオープンです。

http://restaurant.nifty.com/

Photo_2 先ずは、私たちフードアナリストが様々なライフスタイルから選び出した食のシーンをご紹介出来る事を嬉しく思っております。

フードアナリストは、食・食空間を評価、分析する専門家です。様々な角度から食に関わる多岐に亘る勉強を積んだ知識・教養・マナーを身に付けており、食べ手側に立ち、消費者としての目線を大切に有益な情報を提供出来るように日々研鑽を重ねています。

今回の厳選レストランのオープンでは、全国の各都市を代表するフードアナリストが、それぞれの目線と感性でお気に入りのお店を紹介しています。フードアナリストは、様々な世代や性別など消費者と同じ様に、好き嫌いやレストランの好みの差など、あらゆる立場に立った食の情報をご提供致します。

フードアナリストは食の評価だけでなく、あらゆるメディアでの情報発信から、商品開発や信用調査、安全検査やコンサルタント業務、食・食空間にかかわるあらゆる場面で活躍しております。また、学問としても専門学校や大学などのエクステンションカレッジ(一般教養講座)などでも講座が開かれるなど、講師として活動される先生も多くいます。

プログラムとして資格を取得してから、勉強をサポートするシステムが充実していることで実力の向上に力を入れています。資格の級によってその実力は異なり、上級になるほど専門性が高くその知識・教養・マナーもレベルが高いのです。特別な才能を持ち合わしていなくては出来なかった食の専門分野を、仕組みとして一般の食に興味がある方々を教育出来るプログラムを持ち合わせている事が最大の魅力です。

資格取得後に勉強して実力を身に付けなくては活躍出来ないともいえます。

理念は、With Thanks & Respects(尊敬と感謝)です。絶対に上から目線で物事を見ない、「ここをこうすればもっとお客様に喜んでもらえるのでは?」といった基本は愛情をもって食の世界に貢献したいという姿勢で提言を致します。

世の中は、食に関わる情報で溢れています。しかし、ほとんどが一方的な情報の流れに本当に自分が必要な、又は自分の立場と同じ条件の情報は少ないものでした。今回のレストラン情報は、厳選したそれぞれの立場に立った情報であることが大切だと考えています。今後は、読者の皆様とのコミュニケーションを大切に双方向のメディアとして食・食空間だけでなく食文化や知識などをも学べるサイトとして「食べる楽しみ」に繋がる情報を提供して行きたいと思っております。

ぜひ、ご期待下さい!

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2008年4月 2日 (水)

一流シェフ、イタリア大使館御用達の国産チーズ

Photo_3 チーズはヨーロッパの食文化?
日本も醗酵、熟成食品は古くかの歴史があります。「酥(そ)」「酪」「醍醐」など、乳製品をあらわす言葉が古くからあり、最高の味を意味する「醍醐味」もこれから由来している。インドの仏典の中の例え話として「牛乳は酪→生酥(しょうそ)→熟酥(じゅくそ)→醍醐と変化する」という件がある。これらはすでに飛鳥、奈良時代に伝わっていたのです。

日本人とチーズの付き合いは、意外に深いのである。

今更だが、チーズは醗酵食品。醤油が醸造蔵の蔵酵母に助けられるように、チーズも土地に棲みついている菌や酵母の持ち味によって風味が動く。

Photo 岡山市の北西、吉備高原にある吉田牧場は国内生産者の最小規模ながら、そのチーズの質において世界的な評価を得ている。味の充実ぶりは群をぬく。フランスやイタリアの伝統製法をきっちり再現した上で、「うちの菌でうちならではのチーズが作れればいい」と語る。その潔さが、味に反映されていて、一度口にすると渾然と広がるその深い世界に夢中になり、やみつきになってしまう。

チーズは原乳次第だから、ホルスタインからブラウンスイスに変えたという。タンパク質や乳糖に富み、脂肪分も高い。牛は、自然放牧だ。良く歩き、青草を食べ、太陽を浴びた牛は健康で、その乳はピュアなものである。しかし、輸入牛のうえ大食いで餌代も大変である。割りに合わないことは承知で、旨いチーズ作りに情熱を傾けている。

Photo_2 親子4人で山林を切り開いて牧場を作った苦労から、イタリア大使館の注文が定着した評価で今や世界的なチーズメーカーとして知られる存在の「吉田牧場」。

知る人ぞ知る状態なのは、作れる量が少ないためである。超一流シェフたちも挙って使いたいが、何せ手作りの逸品たち。東京都内でも数件しか扱っておらず、偶に「吉田牧場のチーズ」などとメニューに載っていたならば、即注文されることをお薦めします。エクストラチャージ(追加料金)がかかろうとも、一生の思い出に成り得る食材などそうそう体験出来るものではありません。

日本が誇る「吉田牧場のチーズ」、一度味わってみて下さい。

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2008年3月31日 (月)

食と音の関係

Photo 食べるという行為は、五感を使って色んな情報を脳で判断している。美味しいや楽しい、快適といった事柄は、あらゆる感覚に影響されるのだ。そんな感覚の一つ「聴く」つまり音や音楽も大切な要素である。五感のヒエラルキーからいっても味覚は聴覚の下層に位置するから、耳から入る音が不快なものであった場合、味覚も正常に働かない。フランスの小学校での苺のシロップで甘味と香りを付けたソーダ水を飲ませる実験では、食堂のガヤガヤした雑音を聞かせて飲んだ状況が最も味の評価が低かった。耳障りな雑音は、味覚の感度を悪くする事が研究結果でも証明されている。一方、耳に心地良い音は、逆に食欲を増進させてくれる。レストランなどでかかっているBGMがその代表だが、心地良い音楽を聴くと気持ちがリラックスするだけでなく胃腸の働きも良くなるのだそうだ。

音楽にも色々あるが、耳に心地良いかどうかは音の「ゆらぎ」によるそうだ。ゆらぎとは、連続する音が高低、あるいは強弱に揺れる幅の性質のことで、大きく三つに分けられる。揺れがバラバラで激しいのは「1/f0ゆらぎ」といわれ、破壊的な音になる。自然界でいうと地震、雷、火事、災害の類の音。音楽では騒音に近い大音量のハードロック系ミュージックだ。反対にスロー過ぎるテンポや、短調なリズムを刻む音は、揺れがゼロに近い「1/f2ゆらぎ」といわれ。脳への刺激が少なく、音楽では子供を眠らせる時の子守唄のようなものになる。その中間にあるのが「1/fゆらぎ」で、適度なリズムと刺激を持つバランスの良いゆらぎ。この「1/fゆらぎ」を持つ音が、耳に最も心地良いのだそうだ。

故・美空ひばりさんや宇多田ヒカルさん、吉田美和さん(DREAMS COME TRUE)の歌声や、ナレーションで有名な森本レオさんも「1/fゆらぎ」なのです。意外なところでは、「般若心経」がリズムといい読経の言葉といい、理想的な「1/fゆらぎ」の性質を持っているのだそうだ。

クラッシック音楽の9割が「1/fゆらぎ」の特性を持っている。

音楽療法や胎教などでは「1/fゆらぎ」のクラッシック音楽が使われているが、植物や動物の成長にも良い影響を与えることはすでに実証済である。バッハの曲を聴いて育ったトマトが美味しい実をつけたり、乳牛もモーツァルトの曲を聴きながらだと乳の出がよくなったり、ワインもクラッシックのBGMの中で醸造したら美味しくなると言われている。逆に「1/fゆらぎ」から外れた音楽をいつも聞かせた花は枯れてしまったり、中には奇形の花びらをつけたものまであるそうだ。

17・8世紀のヨーロッパでは、王侯貴族がおかかえの演奏家を呼び、生の音楽を聴きながら食卓を囲んだそうだ。この音楽は一般に「食卓の音楽」と呼ばれ、宮廷おかかえの作曲家が作っていた。その時代を代表する名曲は、18世紀における国際的な名声はバッハよりも高かったといわれるバロック音楽の巨匠ゲオルク・フィリップ・テレマンが1733年に作曲した「食卓の音楽-ターフェルムジーク」だ。バッハほど重くなく、モーツアルトのように艶があり、聴きながら食事をすると優雅な気分にさせてくれる。この曲は、科学的に分析しても理想的な「1/fゆらぎ」の構造を持っているのだ。

日常の食事時にテレビを消して、BGMを「1/fゆらぎ」の音楽に替えるだけで、食事がより快適で美味しいものになるかもしれませんね。

<参考文献>【音楽は「聴くクスリ」】(渡辺茂夫著、PHP研究所刊)、【フランス流美食の探求】(鳥取絹子著、平凡社新書)

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2008年3月20日 (木)

春のにがみ

『春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え』
これは、養生医学者・石塚左玄氏の言葉です。

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季節ごとの旬の自然のものを食べていれば体には一番良いことを言っているのです。
体もそれをよく知っています。春の苦味は冬に多めに摂取した塩分や動かないでたまった脂肪分を排泄してくれます。
夏は酢の物は暑い夏を乗りきる避暑食であり、秋の辛味は夏の間に消耗した体力を補うための食欲増進をしてくれる。
冬は寒さ予防に脂肪分を取って抵抗力を養うわけでなのです。

ふきのとう、土筆、タラの芽、山うど、ゼンマイ、蕗、ワラビ、筍・・・
春の山菜は苦味のあるものが多い。
春野菜にはポリフェノールやビタミンCが多く含まれているので美容にもとても良いのです。
冬に新陳代謝の悪くなった体内から毒素を出すために、春の野山で採れる野菜は苦味があります。

これを嫌がるのが子供たち。
これは、苦いものに対して警戒心という防衛本能がそうさせているとか。
苦い、酸っぱいというのは毒や食物が腐った場合にも感じられる味だからです。
小さいとき、ふきのとうを美味しそうに食べている親を見て、
『どこが美味しいんだろう・・・』と不思議に思ったものでした。

苦いものを幼い時に経験している事は、将来の味覚を考えるととても大切な経験になります。
苦味や酸味は、料理全体のアクセントとして味の奥行きを深くしてくれる役割があり、感覚を鋭敏にしてくれ、味わいを広げてくれるのです。

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2008年1月22日 (火)

やっぱりオーボンヴュータンだわ

Obonsign 「伝統の中に、新しい発見が出来ないか。自分なりに作ったら、どんな菓子が出来るか。私の菓子づくりは、伝統への挑戦である」とパティシエである河田勝彦氏は語る。

東京は、東急大井町線・尾山台駅前の商店街の外れに佇むオーボンヴュータン。扉を開けると、店内には四季を問わず定番のお菓子がきれいに並んでいます。ケースには約30種類もの洋菓子があり、プティ・フール・セックの種類なども豊富で。計り売りをしてくれるのも嬉しい。また果物の香りを封じ込めた、ジャムやコンポートなども求められます。その他には、ヌガーやパート・ドゥ・フリュイが、チョコレートなどと一緒に並んでいます。店内を見渡しただけでフランスの香りに包まれるかのような優美さです。

壁にはアンティークの菓子型などが飾られ、フランスやイタリアのBAR(バール)をイメージして作られたカウンターでは本場顔負けのエスプレッソ・コーヒーやカフェ・ドゥ・クレームなどが楽しめます。その場で菓子類を賞味することも出来るのです。中でも、この店内でしか楽しむ事が出来ないアイスクリームは、表現仕切れない程の逸品です。ヴァニラを基本に、河田さんのキャラメルは、絶対に外せないセレクトだと断言しておきましょう。味によってアイスクリームも固さが違うこだわりからも実力が窺えます。

Obonkasi 1981年に開店してから、ずっとこの場所でフランスの伝統の味をかたくなに守り続けています。

【次々に現れては消えてゆく新製品。そればかりに目を向けすぎていると、菓子の持つ本質を見失ってしまうのではないだろうか。このような情報過多な時代だからこそ、原点に立ち返ることが大切なのではないでしょうか。そんな言葉をお菓子に対する愛情で表現した菓子がここにはある。】

食べれば食べるほどに、その魅力に惹かれてしまう“本物”の力と輝きが河田さんの菓子なのです。

最近、たくさんのスイーツ職人がクローズアップされる中、多くの食べ歩きの末にやはりここに戻って来てしまう。

キャラメルもアンリ・ルルーに負けない深みで大好き。オレンジキャラメルがお薦めです。チョコもいいですよねこれが。いやいや伝統の焼き菓子も捨て難い・・・と、散歩途中に毎回家族で楽しく寄ってしまいます。

この店の修業歴を持つ多くのスターパティシエが活躍しています。

今でも、フランスから来日したパティシエたちが河田詣でするのもその正確な仕事を尊敬しての事ですね。

ぜひ、ご賞味あれ。

近所なのでお越しの際は、声をかけて下さい。ご一緒します。

そうだ、フジーニと歩く東京グルメマップという企画はどうでしょう?今度やろうかな。

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